1987(昭和62)年の夏休み,鉄研OBの撮影会でどこかへ行こうということになり,当時模型店でよく見かけた日車標準型が居た岳南鉄道を訪問しました.東海道線鈍行を乗継いで吉原駅に着くと,待っていたのは東横線で見慣れた東急5000の青ガエルならぬ「赤ガエル」で,一同拍子抜け.6年も前に置き換えられたことを皆忘れ,S模型店バイトの最年少O君のみ「赤ガエル撮りに行ってどうするんだろうと思っていた」という次第.しかし今やこれも貴重な記録となりました(撮影日:1987年8月15日).

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吉原駅で出迎えてくれたのは,クハ5101+モハ5001のペア.東急時代はそれぞれサハ5361,デハ5027ですが,熊本交通の切妻型と異なりサハにも正規の丸い運転台を取付改造.ヘッドライトはシールドビーム.

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終点,岳南江尾に到着した5001(右)と5003(左).5003編成は種車が偶数向き(デハ5040+デハ5114)のため,エアホースとジャンパ栓の位置が左右で対称になっているのが確認できます.5003はパンタが降ろされているので,この日はお休みだったのかな?

岳南江尾からは,炎天下,線路に沿って比奈まで歩くことにしました.途中,疾走する0系を撮影したり,はたまた用水路の中で群生していたアメリカザリガニをつつきまわしたり.須津駅を通過し比奈駅に着くと,しばし撮影タイムとなりました.

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炎天下,製紙工場をバックに田圃の中を東京へと疾走する0系.このころはパンタがバリバリと派手なスパーク音を立てていた時代で,遠くからでも列車が来るのが分かりました.須津駅付近にて.

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須津駅に留置されていた一形式1両のみのタキ11750.播磨化成工業㈱の所有で,ここが常備駅.全てスポーク車輪なのが珍しい.液体サイズ剤とは,インクのにじみを抑えるため製紙工程中で塗布される薬剤です.製紙の町にふさわしいタンク車ですね.

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比奈駅構内の様子.右奥にED402が留っています.

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比奈駅ホームから撮影したED402.1965年日車製の40t車で,もともと松本電鉄が梓川ダム工事用に発注したものを,工事終了後の'71年に引き取ったものです.構内入換に活躍していました.

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比奈駅を出発する江尾行,5001.

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江尾行後部の5101.消石灰タンクの手前にオレンジ(?)の廃車体が見えますが,小田急の旧型車両(クハ1352→岳南モハ1107)が倉庫代わりに使われていたものです.

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吉原駅に進入する5101.この日は,この編成の独壇場でした.

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東海道線のホームから見た5101編成.遠目には営団・丸ノ内線みたいです.奥にはワムを牽いてきたEDが見えます.

帰り際,沼津駅で乗換待ちをしていると機関車がやってきて,ホームから程よい位置で写真を撮ることができました.

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DE10-1525.'71年川重製で,遠江二俣が棲家でしたが,JR化後は静岡区所属となりサボ差しには[海]が入っています.現在は美濃太田区で活躍中.

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大宮工場で全検を終えたばかりで,ピカピカのEF65-1042[新].'72年汽車/東洋製で,2009.3に高崎で廃車.左奥に沼津機関区が見えます.

横浜に着いた後の〆会では,車両についてロクな下調べもしないで出かけたこと,終点駅名である江尾を「えのお」と誰も読めなかったこと等々を大いに反省し,痛飲となりました.

(おわり)