根岸駅にはJX日鉱日石の製油所があり,タンク車のみで編成された専用列車が発着するだけでなく,神奈川臨海鉄道方面へのコンテナ貨物も見られるなど,横浜の通勤路線とは思えない趣です.また駅構内が平坦で見通しが良く,ホームから入替作業を間近に観察できる貴重なスポットでもあります.
’70~80年代に通学で使っていたときは通りすがりの日常風景でしたが,それでもタキの色がブルーから緑に代わったり,EF65の塗色が更新色になったりと,その時々の変化には気付いたものです.今回は’90年代の根岸駅の貨物列車入換の様子をアップしました.首都高の高架がまだ無いころで,構内が広々と見渡せました.


製油所に引き上げられるタンク車列.ほぼ同じ場所ですが,15年の間に青タキから緑タキ全盛に代わり,首都高の高架が出来て引込線や製油所構内の配線も変わりました.左:1990.11.18,右:2005.11.3
’80年頃までは,関内駅あたりでもEF13やEF15が牽く貨物列車が,重々しい音を響かせてゆっくりホームを通過するのが当たり前でしたが,このころはEF66に九州寝台特急仕業を譲ったEF65に置き換えられていました.機関士さんに聞いた話ではタキ列車はかなり重く,EF65でも空転に気を使うそうです.実際,雨に日にタキ列車が山手トンネル手前で空転を起こし,筆者の乗った電車が根岸駅で抑止され,車掌さんから「前で貨物列車が坂を上れないため,電車はしばらく停車します」というアナウンスが入ったことがありました.
根岸駅の発着時刻表です.駅員さん用のホーム放送設備近くの柱に張ってありました.緑は横浜線,オレンジは快速,赤は貨物列車の時刻と思われます.1990.11.18
おまけ:根岸線の電車
根岸線はまだ103系全盛で,205系が横浜線というのが定番.スカイブルーの205系も活躍してましたが,4編成のみでなかなか出会うことができませんでした.