D52-72;49年ぶりの再会

 2010年に市内の公園から御殿場駅前へと移設されたD52-72に会ってきました.国府津機関区跡で前回見たのは中学生だった1972年でしたので(→元記事はこちら),実に半世紀ぶりの再会です.露天での展示ですが手入れが行き届いており,ほんとうに50年たったかなという綺麗な状態に保たれていました.明るいので写真が撮りやすく,庫内にあった時よりよく観察することが出来ました.

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まずは久々の対面!ポッポ広場の名称石碑が立派.観察に余裕を持たせた低い柵配置が有難い.キャブ観察用の階段も両側に設置されていました.

国府津機関区跡にいた頃との比較.国府津当時はシールドビーム(LP-405)でしたが,原型のLP-403に戻されていました.入換標識灯は撤去済みで,正面ナンバープレートは木彫→プラ製赤に交換されています.

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左クロスヘッド付近の比較.現在は赤ライン入りのペイントです.

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左右のキャブ周りの比較.銘板も健在.

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機関士席の機器類も健在.ハンドル類もきれいです.

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蒸気分配器の圧力計とバルブ.供給先を示す表示板は失われていましたが,あっても小さくて乗務中に読めそうにありません.機関士/助士さんは体で場所を覚えてたんでしょう.

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焚口とストーカー.右側の組みバルブがイマイチ謎です.京都鉄博のストーカ撤去前のC61にもあったのと,配管が火室に向かっているので燃焼系のモノと思いますが,場所毎の温度制御用(散水とか)ですかねぇ.

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後ろを振り向くとテンダーのコールバンカー.ストーカーの取入口には蓋がされています.

機関士側と助士側の前面眺望.当たり前ですが,半分しか見えず.助士側ランボード上に大型の清缶剤送入装置があり,意外と目立ちました.

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右ランボード下にあるシリンダへの給油ポンプ.加減リンクからのロッドで駆動されます.これも配管がアナログ的複雑さです.

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テンダー右後部には転轍レバーや入換信号機等も設置されていました.

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貨車用TR-41のようなテンダー台車LT-204.ただしこちらが先輩で,TR-41は軸距を1700mm → 1650mmに変更.ATS車上子は逆行も可能なように,隣の台車側にも位置をずらして設置.

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御殿場線の山越えを模したモニュメントもあり,大事にされている様子が分かりました.

おまけ;御殿場駅

御殿場駅も約46年ぶりの訪問です.

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山小屋風の富士山口.本来なら外人観光客で賑わってるところでしょうが,コロナで閑散.

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内部は明るい橋上駅です.

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3番線で出発待ちの313系沼津行2625G,静シスN2編成Tc312-2328ほか3連.

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1975年当時は古レール跨線橋が架かる,こんな駅でした.

元記事はこちら

本稿おわり(撮影日:2021年6月1日)

2 Comments

  1. 通りすがりのものです。

    焚口右側の組みバルブは石炭噴射装置のノズル分配弁かと思います。

    ストーカーで運んできた石炭を焚口から火室内に散布するのに蒸気を使っており、その散布具合を調整するために弁が必要、ということだそうです。

    四十年前に読んだ「学研の図鑑 機関車・電車」にも解説があったように記憶しますが、近年であれば、「蒸気機関車メカニズム図鑑」(細川武志、グランプリ出帆)50〜53ページに詳しい解説がありますので、ご覧頂ければと思います。

    • admin

      2021年9月1日 at 20:45

      散布をコントロールするため蒸気噴射を使ってたのですね.これは初耳でした.貴重な情報をご提供いただき,有難うございました.

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