ルポ探 3.線路末端 本山/仙崎支線

山口県西部には,1日数本しか列車が走らない盲腸線として有名な小野田線本山支線と山陰線仙崎支線がありますが,なかなか訪れる機会がありません.そこで意を決してレンタカーで南から一気に縦走し,駆け足でポイントのみ訪問することにしました.美祢線沿いに北上しましたので,美祢駅や長門市駅の様子も合わせてのルポです(訪問日2012年9月15日).

小野田線本山支線

県道を海に向かって走っていると,急に眺望が開けると同時にトラス架線柱が現れ,長門本山駅に到着したことが分かります.周防灘の陽光燦々の地に単線の線路が延び,コンクリ車止めで突然途切れた線路を見ていると,なぜここに駅があるのか不思議な気になりました.

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架線終端のトラスビームが目立つ長門本山駅.きれいな花壇は近在の方々が手入れをしているのでしょうか.

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待合室の様子.

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1日3本のみの時刻表.朝イチの雀田行と2本の宇部新川行のみ.案内板にはラミネートされた運賃表もありますが,町内会の掲示板のよう.

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ホーム中ほどより雀田方面を望む.駅名板の次駅欄は当然のことながら片駅表記.

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コンクリート製の車止め.右側架線柱の奥に周防灘が見えます.自転車が置いてあるのは,高校生の通学に使われている証でしょう.

せっかくの機会なので,本山支線唯一の中間駅である浜河内駅,支線の分岐点雀田駅も合わせて訪問しました.

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浜河内駅は,踏切のすぐ横でした.奥が雀田方面.

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反対側の長門本山方面を望む.レールのサビ具合がなんとも中途半端で,列車数の少なさを物語っています.

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雀田駅の改札口.無人駅かと思いきや駅員さんがいました.自動販売機は無く,昔ながらの丸窓付き出札口がなんとも懐かしい雰囲気.駅前にはたくさんの自転車が止まっていましたので,朝夕は高校生で賑わうのでしょう.

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雀田駅ホームの様子.右が本山支線,左から本線がカーブを描いて合流し,居能駅に向かって先細りの三角形ホーム.

路線の印象としては,ATSも設置された立派な線路設備なのに活用がイマイチでもったいない!小野田線全体を富山港線のようにLRT化したらどうかと思いました.ただ,やはり乗客数が増えるメドが立たないと,車両への新規投資は難しいでしょうね.

美祢線

元々は宇部興産の石灰・セメント輸送等に活躍していた路線ですが.輸送コスト上昇や国鉄ストによる輸送不安定化を避けるため,1982年に全通した宇部興産専用道路に取って代わられました.この道路はGoogleマップでも確認できますが,よくもこれだけの私道を作ったものだと感心させられます.これだけの資金があったら美祢線を買い取ってしまうオプションもあったのではと思うのですが,当時は国鉄路線を買い取る術や鉄道のエコ概念などあるはずも無く,車輸送の利便性のみが注目されたのでしょう.
さて,2009年秋には太平洋セメントの石灰石列車も廃止され,現在ではタキ1100によるフライアッシュ輸送の通称「岡見貨物」のみ細々と続いています.とはいえ,重貨物が通った路線だけあり,長い退避線などに昔日の幹線の面影があります.

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美祢駅の駅本屋.駅前駐車場が広大なだけに,現状がかえってさみしく見えます.

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改札口からホーム(厚狭方面)の様子です.現在は手前の1番線のみの使用となっています.

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南側にある跨線橋から見た美祢駅の様子.レールのサビ具合からも1番線しか使用されていないことが分かります.ホキが活躍したころは長い退避線が有効活用されたことでしょう.

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美祢駅北側から宇部興産のセメント工場に延びる専用線の踏切です.現在では岡見貨物のホキ編成が黄色い機関車に牽かれて通ります.道路幅が広いので,遮断棹の中ほどが折れ曲り水平に上下するタイプになっています.

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美祢駅より一つ北側の重安駅にある太平洋セメントの石灰石採掘所.重安駅のホーム屋根が赤い車とバスの間に見えます.

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石灰石積込みホッパーの跡.かつては左右のコンベアは繋がっており,この下にホキへの積み込み設備があったはずですが,取り壊されていました.

山陰線仙崎支線

美祢線沿いに北上を続け,山陰線の長門市駅に着きました.山陰線から美祢線と仙崎支線が分岐する結節点です.東日本大震災時に繰り返し流されたACのCM(遊ぼうって言うと遊ぼうって言う・・・;こだまでしょうか)で一躍有名になった詩人・金子みすずが仙崎出身なので,これを観光の目玉にしたPRが目立ちました.

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長門市駅の正面玄関です.美祢駅よりもこじんまりしていましたが,気持ちよく整備されていました.

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長門市駅の改札口の様子です.青海島観光などのポスターが飾り付けられていました.

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駅西側の跨線橋から長門機関区跡を望む.現在は長門鉄道部が置かれ,美祢線用キハ120,広島・山口色と首都圏色のキハ40がいました.右奥の木の後ろにターンテーブルがあり,駐車場になっているところは扇形庫跡で,D51がたむろしていたところです.レール間にもアッシュピットや点検ピットがあり,かつての賑わいが想像されます.

踏切で運よく美祢線のキハ120を撮影することができました.

最終目的地の仙崎駅は,長門市駅から深川港沿いに走るとすぐに見つかりました.2007年に「みすゞ潮彩号」の運転に合わせて改築されたそうで,和風の建物が建っています.

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仙崎駅の駅舎.左側は金子みすずの紹介をメインとした観光案内所となっており,ボランティアの方々が説明をしてくれます.

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棒線構造のホームの様子(長門市駅方面を望む).左の砂利は機回し線の跡だとか.

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枕木を渡しただけの簡単な車止め.長門本山駅からの縦走もここで終わりました.

(おわり)

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