「特牛」と書いて「こっとい」と読むのは,難読地名クイズなどで子供の時からおなじみでしたが,実際はどんなところなのかと気になっていました.このたびレンタカーで訪問する機会を得ましたので,現況ルポです(訪問日2012年9月15日).

「特牛」は,特に優れた雄牛を表す古語の「こというし」から来ているようですが(牝牛の方言や近隣地名との説もあり),現在周辺で牧畜の気配はありません.行政的には豊浦郡豊北町(とようらぐんほうほくちょう)でしたが,2005年に下関市に合併したので,特牛駅も現在は下関市です.駅は集落の中心である特牛漁港から国道435号線を3kmほど入った山間部に位置し,ここで良いのかと心配になるような細い山道を登った所でした.カーナビがなければ完全に見過ごし,迷子になっていたところです.この日は台風天気で横殴りの大粒雨が降り,ポケットカメラをタオルで覆いながらの撮影なので画質がイマイチです.

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ゲートのようなものは,特牛漁港の製氷コンベアとアイスクラッシャー.軽トラ先の交差点を左折すると国道435号線です.ワイパーで拭いきれない大雨でした.

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はるばる来ました「特牛駅」.豪雨のため,車内からの撮影です.周辺は民家が2~3軒あるだけの山間部で,いかにも利用者が少なそうな雰囲気です.

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味わいのある木製改札ラッチが古き良き時代を感じさせ,まるで映画のセットのようです(実際ロケに使われました).正面の階段でホームに登ります.左側の駅事務室は物置と化していました.

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長門市方面の眺め.もとは島式ホームでしたが,現在は一線構造です.

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反対側,下関方面の眺め.ワンマン運転時の確認用ミラーが立っています.

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ホームより駅本屋を見下ろす.アスファルト部は,元は踏切だったはず.

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現在,改札ラッチは無くてもよさそうなものですが,ここに駅員さんがいたらどんな雰囲気だったんでしょうね.

特牛駅は映画「四日間の奇跡」(2005年東映・TBS)のロケ地としても使われ,「伊上畑;いがみはた」駅として登場します.この時の駅名板が記念として設置されていました.

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バス停横に設置された「伊上畑」駅の駅名板.

撮影を終え車内でコンビニ弁当を食べていると微かに警報機の音が聞こえたので,カメラをひっつかみ豪雨の中ホームに駆け上がって,普通列車を撮影することができました.この日は豪雨でダイヤが乱れ,80分ほど遅れていました.やってきた列車969D串本行はキハ47-81+キハ47-1507のワンマン運転で,乗降客は一人もいませんでした.※運転士さん,乗降客と紛らわしくてすみませんでした.

(おわり)