武生駅を通過すると,福井鉄道の越前武生駅に様々の車両が留置されているのが見え,以前から気になっていました.今回ようやく念願叶って,えちぜん鉄道と併せて探訪してきました.【撮影日:2014年7月23日】
武生駅から駅ビル沿いに300mほど歩くと,越前武生駅に着きます.駅舎は平凡な3階建てビルですが,ホームは道路沿いから柵越しに見渡せるため留置車両を観察することができました.
車両
福井鉄道には路面電車風の低床車と,電車にステップをつけた高床車が混在し,興味深い観察対象です.最近では万葉線と同様のLRT車も導入され,様々の車両に出会うことができました.

モハ202-1のドアステップ折畳み状態.リンク機構とエアシリンダを用いています.動くところを是非見たかったですね.1960(昭和35)年日車の製造銘板も見えます.台車は113系用のDT21B,モーターはMT54に換装されています.
※ちょっとウンチク:200形や600型の前面排障器を何と表現するか悩みました.スカートにしては隙間だらけですし,カウキャッチャーだと米国風SL(義経/弁慶/静など)のような先のとがったイメージ,救助網では京都N電のような大型の網を思い起こさせます.結局,英文サイトで「排障器」相当語を調べてみると,機関車用はパイロット(pilot),路面電車用はフェンダー(fender)となってましたので,ここではフェンダーで記述してます.
ふくらむ内部

最後部から見たF1001室内です.万葉線と同様で,派手な外部塗装に比べて落ち着いた色合い.基本,全駅停車なので降車用押しボタンはありません.連結部の渡り板形状から判断すると,中央車両に対して両側先頭車を持たせ掛けていると思われます.
スポーツセンター→家久駅の動画です(52秒).新車なのに線路の状態がイマイチなのか,養老鉄道と同様の揺れがありました.
沿線風景

水落駅で見かけた古レールの柵.ロールマークに1921と古い年代が見えたので,すかさずスナップ.後で拡大してみると「GHH 1921」に見えるので,1921(大正10)年のドイツ製(グーテ・ホフヌングス・ヒュッテ社:GuteHoffnungsHutte)かもしれません.福武線の部分開業(越前武生-神明間)が1924(大正13)年なので,創業時のレールとすれば貴重ですね.
福井鉄道は基本的に越前武生⇔田原町の往復運転ですが,福井駅前は盲腸線です.そこで上下線とも,市役所前からスイッチバックで寄り道する運転方法をとっています.

運転台から市役所前の分岐を見る.右が武生方面,左が福井駅前方面です.路面電車用の信号機はオレンジの×が表示されています.武生方面からの電車は,客扱後いったん田原町方面に進みスプリングポイントでスイッチバックし,左側の線路に転線してから駅前に向かいます.

市役所前のホームに設けられているポイント切替スイッチ.自動でないのが珍しい.運転士さんが窓から手を出して押すのが基本ですが,女性運転士さんは手が届かないので棒を使って押していました.また「ふくらむ」は窓が開かないので,運転士さんが下車してスイッチを扱っており,チョット不便かな.
独シュトゥットガルト市電のGT4形735号にも出会えたらラッキーと思っていましたが,この日は運用に入っていないようでした.
※3月に土佐電から移籍したのち,エアバルブ系の不調で修理中だったとのことです.9月6日から,土日祝日に3往復/日で復活します.
参考サイト
6)えちぜん鉄道 に続く