C58-363牽引の「パレオエキスプレス」は,1988年3月15日のデビュー以来,秩父路のSL列車として26年の運行歴を誇り,すっかり地元に定着しています.現在は後藤デフのいでたちで12系客車を従えていますが,ここでは登場間もない頃の姿をご紹介しましょう.運行開始から2か月ほどたった5月30日,秩父で大学部活のOB合宿がありました.ついでにデビューしたてのC58を見ることを計画,なおかつ15年ぶりのSL撮影行ということでで楽しみにしていました.しかし前日からひどい雨が止まず,当日朝も小雨状態.列車がやってくるころになって,ようやく霧雨状態となりました.【撮影日:1988年5月30日】

永田駅付近

C58-1

初めて目にするパレオエキスプレス.雨の中,永田駅を通過してきたところです.旧客4両と後補機にデキ104を従えていました.R140の陸橋上からの撮影.

C58-2

さいたま博にあわせて装飾されたC58-363.復元工事直後の車体が雨に濡れ,黒光りが一層引き立って見えました.

C58-3

畑の中を遠ざかってゆくパレオエキスプレス.陸橋の反対側に移動して,後追い撮影.

EC300-1

撮影の合間に撮影した300系急行「秩父路」.真中の車両は,アルミ製のサハ352.

EC1000-1

こちらは1000系3連の熊谷行.やはり101系は優しい顔立ちに見えます.バックのアパート3棟が,永田駅のランドマークとして目立ってました.

hoki-1

秩父鉄道名物の石灰満載「ヲキ」列車.国鉄風に「ホキ」でないところがユニーク.片パンのデキが牽引していきました.

荒川河川敷

 パレオエキスプレスは時間をかけてゆっくり走行してくれるので,車で後追い撮影が可能でした.寄居駅を通過すると波久礼駅付近でC58としばし併走状態となり,運転しながら動輪の動きを満喫する一方で,ビデオカメラが無いことがつくづく悔やまれました.長瀞駅で列車が停車しているうちに,上長瀞の荒川河川敷に降りて鉄橋通過を待ちました.

C58-4

下流側からのショットですが,雨で足場が滑りやすく,撮影場所を求めての移動にかなり苦戦しました.

EC1000-2

合間にやってきた1000系の各停.

hoki-2

セメント・ホキを重連のデキが牽引していきました.

秩父駅付近

 秩父駅で停車している列車を追い越し三峰口に向かうと,すぐ先の日野田町の踏切で足止め.列車より先行したくてジリジリしていると,SLの汽笛に続いてドラフト音が聞こえてきました.ナント,踏切待ち先頭でパレオに遭遇という幸運に出くわした訳です.

C58-5

車の運転席からSLを撮影したのは,後にも先にもこれ一枚のみ.実にラッキーでした.

 C58との併走,踏切での遭遇という二つの幸運に恵まれ,これまでの雨中撮影の苦労が吹き飛びました.

’88パレオエキスプレス登場の頃Ⅱ に続く