新宮駅からはJR東海の非電化区間.キハ85の「ワイドビュー南紀」に乗車する絶好の機会です.名古屋行き「南紀」の先頭車は自由席なので,一番前に陣取れば前面眺望が楽しめます.ただ紀伊勝浦からの折り返しなので,新宮からでは先頭キープは難しそうということで,今回は普通の指定席をとりました.
久々に乗った特急気動車のエンジン音は実に心強く,運転士さんのノッチ操作がダイレクトにわかるのが面白い.上り勾配での咆哮や下り勾配での惰行など,エンジン稼動の様子が背中のシートを通して体に響いてきます.うるさいと言うお客さんもいるのでしょうが,カミンズ製エンジンを搭載した新系列気動車の乗り心地を十分堪能できました.
連休初日の上り列車は6両ということもあり,結構な空席状態でした.ところが予約システムのソフトが"座席節約志向"なのか,特定車両の海側に乗客が集中する始末.筆者も途中から相席となりましたが,車掌さんが気を利かせてくれて,空いた車両の予備席に案内してくれました.おかげで以後大変快適でした.
列車は快調に進み,C57牽引の列車で通った多気駅や松坂駅は改修され,テルファーのあったところはエレベーターになっていました.また四日市付近では,DD51やDE10に牽かれたJTEの石油タキ,太平洋セメントのタキなどを見ることが出来ました.名古屋駅に近づくと名古屋車両区を低速で通過し,レール運搬用キヤ97などが見えますが,いずこも固定窓からの撮影は見苦しく,掲載できる写真が撮れませんでした.
もう一つマズったのは,編成記録を取らなかったこと.先頭車だけ覚えておけば後で編成表を見ればいいやと思ったのですが,キハ85は組替え自在が本領なので,固定の編成というものが存在しないようでした.と言うわけで今回は車番無しの編成表です.
←紀伊勝浦 名古屋→
キハ85+キハ84+キハ85-1114+キハ84-4+キロハ84+キハ85
おまけ:名古屋駅にて
名古屋駅に出入りする車両です.JR東海の在来線車両は標準化が進み,ステン・白顔・オレンジ帯が定番で,よく似た車両は慣れないと遠方からでは識別困難でした.
今回のルポ探はこれで終わりです.大阪と名古屋が紀伊半島経由の鉄路で確かに繋がっているということが実感できる旅でした.
(本稿終わり)
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