新宮駅からはJR東海の非電化区間.キハ85の「ワイドビュー南紀」に乗車する絶好の機会です.名古屋行き「南紀」の先頭車は自由席なので,一番前に陣取れば前面眺望が楽しめます.ただ紀伊勝浦からの折り返しなので,新宮からでは先頭キープは難しそうということで,今回は普通の指定席をとりました.

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「南紀6号」3006D,名古屋行きが新宮駅3番線に進入してきました.連休初日に紀伊勝浦に観光客を運んだためか,通常の4連にキハ84+キハ85を増結した6両でした.

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近づくにつれスカートの形状が何かおかしい?これが噂の「鹿よけバンパー」!昨年春から装備されたもので,SL用カウキャッチャーのマットレス版という感じでした.

 久々に乗った特急気動車のエンジン音は実に心強く,運転士さんのノッチ操作がダイレクトにわかるのが面白い.上り勾配での咆哮や下り勾配での惰行など,エンジン稼動の様子が背中のシートを通して体に響いてきます.うるさいと言うお客さんもいるのでしょうが,カミンズ製エンジンを搭載した新系列気動車の乗り心地を十分堪能できました.

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キハ85の前面眺望.ワイドビューを標榜するだけあって,実によい見晴らしです.先頭に座りたかったなぁ.

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キハ84の車内.ハイデッカー仕様なので沿線に張り巡らされた信号線に邪魔されず,「くろしお」よりも車窓風景を楽しむことが出来ました.キハ84-4.

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基本編成と増結車(手前側)の連結面.キハ85-1114の貫通扉を開いた様子がわかります.

 連休初日の上り列車は6両ということもあり,結構な空席状態でした.ところが予約システムのソフトが"座席節約志向"なのか,特定車両の海側に乗客が集中する始末.筆者も途中から相席となりましたが,車掌さんが気を利かせてくれて,空いた車両の予備席に案内してくれました.おかげで以後大変快適でした.

 列車は快調に進み,C57牽引の列車で通った多気駅や松坂駅は改修され,テルファーのあったところはエレベーターになっていました.また四日市付近では,DD51やDE10に牽かれたJTEの石油タキ,太平洋セメントのタキなどを見ることが出来ました.名古屋駅に近づくと名古屋車両区を低速で通過し,レール運搬用キヤ97などが見えますが,いずこも固定窓からの撮影は見苦しく,掲載できる写真が撮れませんでした.

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名古屋駅に着いた「南紀6号」と「しなの14号」のクロ383-9.

 もう一つマズったのは,編成記録を取らなかったこと.先頭車だけ覚えておけば後で編成表を見ればいいやと思ったのですが,キハ85は組替え自在が本領なので,固定の編成というものが存在しないようでした.と言うわけで今回は車番無しの編成表です.
 ←紀伊勝浦                           名古屋→
キハ85+キハ84+キハ85-1114+キハ84-4+キロハ84+キハ85

おまけ:名古屋駅にて

 名古屋駅に出入りする車両です.JR東海の在来線車両は標準化が進み,ステン・白顔・オレンジ帯が定番で,よく似た車両は慣れないと遠方からでは識別困難でした.

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豊橋行快速5116Fで活躍する211系.クハ210-2304ほか海シンK9編成.

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武豊線区間快速4554DのP3編成キハ25-3.313系と見まがう外観.

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関西線336Gが名古屋駅に進入してきました.クハ312-1318+クモハ313-1318の海シンB510編成.上のキハ25とそっくりの顔だち.

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中央線高蔵寺行3163M.クハ312-1319を先頭に海シンB511編成+B401編成+211系K11編成.線路間には給水ホースが設置されています.

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313系と211系の併結面.前面造形に国鉄とJR東海の設計の違い,進化の様子が現れてます.

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給水ホースのクローズアップ.給水用照明設備とともに健在でしたが,使われている形跡がありませんでした.昔はどこの駅にもありましたが,これも絶滅危惧種の鉄道設備.

 今回のルポ探はこれで終わりです.大阪と名古屋が紀伊半島経由の鉄路で確かに繋がっているということが実感できる旅でした.

(本稿終わり)