夫婦漫才,春日三球・照代の地下鉄漫才(※地下鉄車両をどこから入れたのかわからないので,気になって夜も眠れないという噺)が一世を風靡したのは1970年代後半でしたが,この噺に出てくるように本当に道路に穴をあけて車両を搬入したのが横浜市営地下鉄の1000系です.開業に先立つこと1年9ヶ月前の昭和46(1971)年3月16日深夜,蒔田駅の弘明寺寄りの鎌倉街道に開口部を設け,ここから2台のクレーンで車両を吊り下げ,1011-1012-1016の3両を3日かけて搬入しました.当時小学校6年生で,搬入場所はまさに自宅と道路1本隔てたところ.作業予定はいつの間にか近隣住民に知れ渡り,夜遅くに眠い目をこすりながらフラッシュとカメラを持参して撮影しました.
自分で見たのは初日だけで,この頃子供は10時ごろまでに寝なければならない時代.翌日以降,2~3両目の搬入作業は父親の話を聞くだけと相成りました.下の写真は父親が後日,知り合いからもらってきたものです.
2005年12月1日,南区区制60周年記念として,この地にステンレス製の記念碑が,蒔田駅の1番出口には記念銘板が設けられています. 横浜市交通局HP
1989年からの冷房改造は東急車両で行われたようで,夜10時過ぎにこの場所より少し弘明寺寄りを車で通行中,トレーラーに載せられた1000系とすれ違い,ビックリしたことがありました.関内方面に向かっており工場のある金沢八景方面とは逆向きだったのですが,大物だけに国道16号線に迂回して回送したのでしょうか.