関東鉄道・竜ヶ崎線は常磐線佐貫駅から伸びる4.5kmの盲腸線ですが,終点の竜ヶ崎駅以外,全線単線という珍しい路線です.つくば勤務だったころに訪問すべき路線でしたが,筑波線や鹿島鉄道,水郡線等に気を取られ,いままで未訪問でした.いつも通り出張の合間の訪問記です.
佐貫駅
20年前は415系やE651系SPひたちが行き交っていた路線も,今はE系列の品川行が見られる路線に変貌しました.佐貫駅も駅舎は現代風になったものの,カーブしたホーム構造は昔と変わらず,なんとも懐かしい思いがしました.竜ヶ崎線の駅舎はこじんまりしたきれいなビルで中に地平ホームがあります.JRの駅舎とは別のため,西口の階段を下りていったん外に出る形になります.
関鉄・佐貫駅の案内板.緑のごみ箱の手前が駅入口.右側はラーメンの日高屋.
出改札口は,紙切符の自販機とSuica/PASMOのチャージ機,タッチ式改札機から構成されています.もう少し古式ゆかしい雰囲気を期待したのですが,さすがに近代化されてました.
37列車の2001号がホームで待機中.1997年新潟鉄工製.
こちらは反対の竜ヶ崎側の面構え.妻面にジャンパ栓受けと幌枠が無く,すっきりした印象.
“ロングシートの車内の様子.運転台は横軸式マスコンとブレーキ弁の一般的な構成.
今時珍しい半室式運転台なので,前面眺望が楽しめます.ホームが竜ヶ崎に向かって右側にしかないため,運転台も右側に設置(佐貫側は左側です).
入地駅
乗降客は1~2名といったところでした.写真を撮るファンの姿が見受けられました.
唯一の途中駅である入地駅.
列車後部から入地駅を見る.駅自身は単純な棒線構造ですが,出口がカーブのため曲がっているように見えます.
竜ヶ崎駅
駅前は昭和的なローカルムードにあふれていましたが,通勤時は結構混雑するのでしょうね.
終点・竜ヶ崎駅に到着し,折り返し待機中の2001号.運転士さんがブレーキハンドルを持って移動中.
ホームからオープンな雰囲気の機関区が見え,早く撮影に行きたいと気もソゾロ.
平屋の駅舎.バスの車寄せ屋根,客待ちタクシーなど,ローカル駅の雰囲気満点.
駅舎と反対側にある,丸看板と四角い時刻表のバス停.最近は屋根付や電照式になりましたが,昔はこれが当たり前でしたね.黄色いトラックのたむろする丸通営業所なども,懐かしいローカル駅前の雰囲気に一役かっていました.
駅に沿って戻ると,すぐに機関区です.古レールの柵や井戸の跡(?)など,トワイライトゾーン的雰囲気があふれます.
こちらは僚機の2002で,竜の絵がラッピングされていました.朝晩は2連になるのかな?
露天に設置されている車両ジャッキというのは初めて見ました.雨の日は作業が厳しそうです.
チョット離れた所にショッピングセンターの跨線橋があり,ここから駅と機関区構内を観察することが出来ます.といっても御覧の通りの模型のレイアウトのような配線.庫内にはキハ532が休んでいました.
庫の横にある留置線車止.奥には有蓋車改造の倉庫がありました.
竜ヶ崎駅の自動販売機と改札口.佐貫駅と同様の設備ですが,改札は到着5分前程度に行われるので,ホームで写真を撮るのはちょっと忙しい.といっても駅周辺はほとんどオープンスペースです.
竜ヶ崎駅に2001が到着する動画です(40秒).
短い路線とはいえ,平日昼間でも一定数の乗客がいるので,今後も地域の足としてそれなりの活躍が期待できます.地味な路線とはいえ,いつまでも走り続けてほしいものです.
(記事おわり)
2018年3月5日 at 16:14
こんにちは。
竜ヶ崎線の記事、楽しく拝見させて頂きました。
本当に短い路線ですが、JR常磐線との接続駅、途中の無人駅、有人の終着駅、車庫、ピットと、鉄道にまつわる様々な要素がぎゅっと詰まっていて、見ていて飽きることのない路線です。
走る気動車は常総線共々新しくなり、今時らしいデザインになっていますが、運転台が右側にある様子などは、本当に独特ですね。
もう少し昔ならば、ご記載の筑波鉄道や鹿島鉄道も訪ねてみたかったものです。私には、これらへの訪問は間に合わず、写真で見るばかりになってしまいました。
常磐線から枝分かれしてゆくローカル私鉄にも、実に魅力的な情景がたくさんあります。徐々に失われていってしまっているのが本当に残念ですが、また、今を走る路線を訪ねたいと思っています。
風旅記: http://kazetabiki.blog41.fc2.com/
2018年3月16日 at 22:37
風旅様
いつもありがとうございます.
その昔,相模線がDCだった頃に訪問してみればよかったのですが,後の祭り.
記憶に残るのみで,写真に残さなかったのが悔やまれます.
当時はありふれた日常を記録するには,カラー写真はチョット高価でしたね.
案外,身近な記録が大事なのかもしれません.