仙台市営地下鉄・南北線の南側終点,富沢駅の先には車両基地があり,この中に仙台市電保存館があるということで,訪問してみました.ありがたいことに富沢駅から無料の送迎バスも出ており,難なくたどり着くことが出来ました.【保存館パンフレットpdf】

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富沢車両基地の入り口.スロープを登って守衛所を左折すると,市電保存館があります.送迎バスは保存館前に発着します.

 館内には3両の市電が保存されていますが,驚くべきはその保存状態です.どの車両も全検を出てきたばかりのようにピカピカで,展示物はおろか窓ガラスまで曇りひとつない状態でした.あまりにきれいだったので,愛想の良い職員さんに「素晴らしい保存状態ですね」と声をかけると,「赴任時は車両の天井にホコリが積もっていたりしましたが,綺麗好きな性分なので掃除を続け,現在の状態になりました」ということで,思わず頭が下がりました.地道な努力と熱意の賜物です.

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Zパンが特徴的なモハ100型123号車.昭和27年新潟鉄工製.僚機の119号は「SL撮影行 (1)石巻線C11」で紹介済み.

【1973年の119号の写真】

モハ1型1号車.対大正15年生,川崎造船製.大きなカウキャッチャーとトロリーポールが目立ちました.床はニス塗り立てのようにピカピカ!

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昭和48年,日車製のモハ400型,415号車.こちらのリノリウム床もピカピカに磨かれていました.

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子供の頃,横浜市電のかぶりつきで見ていた大型のマスコンハンドル!ブレーキ弁の横には,ワンマン用のドアスイッチなどがBoxにコンパクトにまとめられ,きれいに後付されていました(415号の運転台).

415号のフェンダーとピン連結器.初めて見た路面電車用のドローバーはトラ縞塗装.

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ボードの解説も丁寧至極.台車の梁が光ってます.

サボ類,車輪,台車,モーター類の展示も充実しており,職員さんの教育に使われたと思しきカットモデルも有りました.とにかく綺麗です.”]

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小物の展示も各種ハンドルやタイヤの形状ゲージ,圧力計の校正装置まで揃ってる充実ぶり.

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Zパンタの展示.現物をじっくり観察できるまたとない機会で,意外と凝ったリンク機構に感心.カーボンの摺り板も併せて展示.

 

 

 帰路は車両基地の中が見えるかと思って線路沿いに歩いてみましたが,基地が高台で高架に接続されているので期待ハズレでした.しかし,思いもかけず素晴らしい保存状態の車両に出会うことができ,有意義な時間を過ごすことが出来ました.
【訪問日:2015年9月5日】

おまけ

 仙台市営地下鉄は12月に東西線が開業予定で,東北大や八木山公園方面へのアクセスが格段に良くなります.広瀬川を渡るコンクリ橋も完成しており,「こんなところに橋あったっけ」と不思議な感じにとらわれました.【パンフレットpdf】

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保存館や駅でも盛んにPRが行われており,ティッシュや缶バッジまで頂いてしまいました.

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ATOワンマン運転では東京メトロの先輩格の仙台市交1000型.富沢駅にて.

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富沢駅の折返線末端に,緩衝式と思しき車止を2基発見!Googoleマップでも緩衝式のように見えます.

3)羽前千歳駅 へ続く