久々に北陸本線に乗車していて,これは新しいかなと気づいたことが二つ.一つ目は,ラッセル用モーターカー(ラモ)がかなりの数配置されていたこと.二つ目は,521系の先頭部に設けられた転落防止用の外幌でした.

ラモ

 昔のモーターカー(MC)と言えば,黄色の車体が相場でした.JR西日本では除雪機能を持った新潟トランシス製の大型モーターカー(Rassell Mortor Car:ラモ)が急速に導入されたようで,側線のある駅では赤と白の車体が必ずと言っていいほど見受けられました.また,外された除雪アタッチメントもラモのそばに置かれていました.
高岡駅構内

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2台とも3つの旋回窓と排気管の形状から,400PSクラスのMCと思われます.車庫内のMCの車番は8622,ホキ800(1259+1252)の後ろは5625.ホキの金・高岡駅常備の標記が,なんとも懐かしい.2014.7.22.

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銘板が読めませんが,新潟トランシスのTMC400クラスに見えます.運転台両側に突き出た排気管,前後ともパイオニア台車のような外側ディスクブレーキが特徴.軸間にはターンテーブルを装備.

武生駅側線

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武生駅構内に居た8620.旋回窓が雪国仕様.上の5625とは,ライトや手摺,ステップ等に微妙な差が見られます.2014.7.23

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後姿です.ドローバーでレール運搬車を前後に連結してました.

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こちらは真横からの様子です.

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ラモ503号のラッセルヘッド側.台枠周りにDE11-2000のような防音カバーがついています.排気管もDD51やDE10のように,運転台窓の中央部にあります.

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同じくロータリーヘッド側.1台二役でかなり機動性がよさそうです.

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ラモの番号板+性能表+製造銘板.ニイガタ軌道モーターカーとあり,N-MCR600はNishinihon-Motor・Car・Russell・600PS.

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武生駅構内に留置されている様子です.モーターカーも,昔のものには比べ物にならないくらい綺麗で高性能になってきましたね.

 モーターカーは,通常,ATSなどの保安装置を搭載しないため排雪列車としては走行できず,線路閉鎖しての使用が前提です.従来はこれがネックとされていましたが,どうせ積雪で列車が遅れるなら,線路閉鎖して多数のラモで同時除雪し,早期に開通させたほうが効率的ということなのでしょう.除雪の方法もかなり変わってきました.帰路,敦賀で新鋭キヤ143も見かけたのですが,写真を撮りそびれ残念.

外幌

 2010年12月の舞子駅での転落死亡事故を機に,JR西日本では先頭車間の連結部への安全対策が講じられ,ヘッドライトの常時点灯のほか,先頭部にも転落防止幌が設置されることになりました.521系3次車から導入が始まり,富山以西ではこの装備車をしばしば目にしました.

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クモハ521-46(金ツルJ11編成)に取り付けられた前面外幌.戦国武士が反首(はっぷり:頬当て)を纏った姿を思い起こさせます.福井駅.2014.7.23.

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斜めから見た先頭車同士の連結の様子(金ツルJ8+J11編成).前照灯も常時点燈..金沢駅.2014.7.25.

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同じく真横から.密連下の電連がゴツイですが,雪には強そうですね.金沢駅.2014.7.25.

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ホームから見るとこんな感じ.足元にはまだスキがあるものの,上半身がぶつかっても転落は防げそうです.金沢駅.2014.7.25.

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こちらはクモハ521-27(金サワJ22編成,2次車)に後付けで取り付けられた外幌.3次車と比べると中央ステーは小さいものの,下部から太いステーが歩み板へと伸びています.ヘッドライトや窓の形状も真っ直ぐで,青白ラインも横一文字のため,3次車とはかなり異なった顔つきに見えます.金沢駅.2014.7.25.

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こちらは外幌未装備のオリジナルの姿.クモハ521-10(金サワG05編成).金沢駅.2014.7.25.

 安全第一の実用的デザインということでしょうが,せっかくの滑らかな前面形状の流体抵抗が増えるような気がします.企業体である以上,予算的制約やコストパーフォーマンスは避けられないでしょうが,将来的にはスポーツカー/航空機のようなリトラクタブル式,または鉄道ならではの魅力的デザインを期待したいところです.

9)福井から米原 に続く