台中方面から彰化駅に到着する直前,右手に機関車がたむろしている場所が見えますが,これが彰化機務段(区)です.駅の改札を出ると地図があり,これを頼りに見当を付けて歩き,7-8分と言うところでしょうか.よく注意すると所々に案内看板があるので迷うことは無いと思いますが,線路を地下道で潜る場所がちょっと分かりずらいかもしれません.今後訪問される方のために参考地図を示します.地下道から出ると機関庫が見えてくるので,塀沿いにちょっと歩くと正門です.守衛所で記帳すると見学OKで,パスポートの提示は不要(ブーヤオ)でした.
彰化機関区の正門です.この日は門扉の工事中.門を入って左手に守衛所があります.
守衛所です.受付台上にノートがあるので,記帳します.
機関区のスローガンを示す掲示板の屋根がいかにも中国風.日本人には竜宮城か鬼ケ島に見えてしまいますね.見学コースは看板の左手に進みます.
右側には運転区や指導区の表札が見えました.階段の踊り場には金文字の標語も掲示されています.
彰化機関区では11月中旬から半年かけて改修工事が行われる予定で,この日も準備が始まったためか,立入禁止(遊客禁止進入)の看板がやたらと目立ちました.
12番線まである扇形機関庫の様子.左手には3両の動態保存SL,右手にはDLが休んでいました.ターンテーブルそのものは大型の下路式で,リベットが目立ちます.
左より1C1タンク機のCK100型101号機.CK120型124号機(除煙板付C12).DT650型668号機(見るからにD51).タイヤ部にはホワイトが入れられています.揃いのカウキャッチャーが台湾風.機関庫左端には「蒸汽機車復駛(駆)計画工作室」の看板が掛かっており,梅小路のようです.
DLの面々です.左からDHL100型110号機(新潟鉄工/台湾車両,2002年製,台湾には珍しい液体式).R20型69,43,48号機(GM,1960-65年製,電気式).
庫の向かい側にはDHL109とスイッチャーのS300型318号機(GM,1966年製)がいました.S300型は運転台前面が円筒形で,台枠近くも丸みを帯びた形状です.
R20型のトップナンバー21号機も健在です.EMDの輸出モデルG(A)-12型で52両いましたが,R56-59の4両はアフリカ・マラウイへ輸出されました.
左よりR20型70号機,GM製電気機関車(E42C)のE200型207号機(1976年製).軸配置C-Cで3100kWという仕様で,どことなくEF58を彷彿とさせます.検修庫内はE300型335号機.E200とほぼ同様ですが,元々は冷房用電動発電機が無い貨物用.
ターンテーブルは灰色にきれいに塗装され,運転室窓もHゴム固定の通勤電車風で,ゼブラトーンと相まって近代的な印象でした.
大型できれいな運転室.オレンジ/黒のゼブラ塗装が目立ちます.日本の歯車駆動と異なり,チェーン駆動が珍しいメカニズム.
こちらはロック機構の様子.日本ではレール中央にカンヌキがありますが,ここではレールの両外側に太いツメを食い込ませる方式.ロックレバーは日本と同様にポイント切り替えレバーを流用.斜めの丸棒は手回し用のものでしょう.
彰化機関区は鉄道博物館としての機能も果たしており,この日も近在の幼稚園や小学校の見学と思しき子供たちがたくさん訪れていました.撮影を続けていると突然エンジン始動音が響き,1台のDLがターンテーブルに近づいて来ました.なんと転回のデモをしてくれるようで,子供たちは大喜び.大歓声が広がりました.機関士さんも子供らの手前,気合が入ってました.
R20型64号機がターンテーブルに載り,転回する動画です(120秒).
ターンテーブルの周りは子供たちで一杯.中央,紺のキャップを被って向こうをむいて説明している女性は,台鉄広報係の職員さん.
DLのピストンやコンロッドなどの廃部品で作ったロボット兵士(?)もありました.
空へ飛べそうな車止です.Ω型はよくありますが,こういう曲げ方は初めて見ました.
救援車相当の「機務搶修(応急修理)車」.奥には「ソ」もいましたが,立ち入り禁止で写真撮れず.白線ではなく黄色のトラ塗りが日本と異なっています.手前の8000型8288は日本のワム90000ですが,自連のテコが下作用.
帰り際に扇形庫を裏から覗くと,CK101とCK124の後ろにトム改造のテンダのような車両が見えました.一番奥はDT650のテンダーです.
行き当たりばったりで訪ねた彰化機関区でしたが,DLの転回シーンを見られるなど思いの外の収穫で,イッキに台鉄ファンとなりました.機関区の改修が進んで見学しやすくなるのが楽しみです.機会があれば是非再訪問したいと思いつつ,機関区を後にしました.
4)西部幹線 に続く
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