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ルポ探10.台北近郊 1)台北MRT

カテゴリー: ルポ探, 外国, 資料, 鉄道

 台湾で初めての仕事が入ったので,空き時間を有効に使い,彼の地の状況を観察してきました.台湾の鉄道状況,特に車両についてはweb上の情報量も多いので,本ルポ探では日本の鉄道システムと比較して,筆者が珍しいと感じた部分を中心に紹介していきたいと思います.

台北MRT(Mass Rapid Transport)

 台北運という漢字が示す通り,交通渋滞を解消して高速運輸網を構築すべく,1996年から運行が始まった台北の地下鉄です.路線図のように市内を縦横に走り回っており,非常に利便性の高い鉄道です.松山空港を通る茶色の「文湖線」はいわゆるゴムタイヤ式新交通システム(ゴム電)ですが,そのほかの路線は1435mm,750Vの直流電車となっています.

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台北捷運路線図(駅配布のパンフレットより)

 乗車券はトークンまたはICカード方式で悠遊卡(ゆうゆうカード;英語名easy card)という名称です,残念ながらSonyのFelicaシステムではなく,オランダ・フィリップス社の規格に基づいています.1日乗車券もありますが,悠遊卡はSuicaやPasmoと同様,台鉄やコンビニでも使えるので,こちらを購入したほうが圧倒的に便利でしょう.悠遊卡では運賃が2割引きになるので,これもおトクです.※といっても初乗り20元(約60円)→16元.

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左は切符代わりのトークンの両面の模様.自動販売機では紙の切符の代わりにこれが出てくるので,「お金がゲームコインに化けた!」と一瞬ビビリました.右は悠遊卡で,Suica/Pasmoサイズ.

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アメリカ風にゴツイ容貌の悠遊卡の自動販売機.中央が本体ですが,日本のように器用な機械ではなく,まずは左の両替機でコインや少額紙幣に両替.次に中央の機械で,大人,子供,シルバーなどのカードを選んで購入しますが(デポ分100元),それぞれカードの出口が違います.さらにチャージはカードを中央のホルダ部に差し,「加値」というモードを選んで希望する金額をお札で連続投入します.日本のようにXXX円チャージという選択肢がないので,モタモタしているとお札1枚のみと判断されショボチャージとなり,「加値」繰り返しの憂き目を見ます.一番右の白い機械は「加値」専用機で,銀行キャッシュカードと連携.

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自動改札機の様子.左は入場ゲートのタッチパネル.トークンや悠遊卡をタッチすると,扇型のバリヤが開く仕掛け.右側の出口タッチパネルは特殊な山型形状をしていますが,これは中央部にトークンを投入(回収)しやすいようにという設計と思われます.

文湖線

 2009年に松山空港駅を含む路線が開業し,市内へのアクセスとして最初にお世話になるのがこの線です.フランスのマトラ社(現ジーメンス)/カナダのボンバルディア社製の4両編成ゴム電が無人運行されています.ラッシュ時はかなりの頻度で運転され,ほぼ1駅に1列車がいる状態でした.日本の同様の乗り物に比べると加速や減速はかなり急で,速度も速く感じられました.

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中山國中駅に進入する155号.ラッシュ時は2~3分おきに,次から次へとやってきました.

中山國中駅から松山機場駅までの前面展望動画です(102秒).

車両長は13.8mと小柄で,正直なところチョット窮屈.ホームドアや軌道のフェンスが邪魔でよく観察できなかったのですが,ボギー車ではなく2軸車でした.台車はおおよそ下図のような構造で,1軸でも線路方向の首ふりを確保した機構と思われます.分岐器は軌道中央部にガイドウェーを設け,分岐部分のトングレールを動かして方向を制御する方式のように見えました.※ビデオでかろうじて観察可能.


MRT-track

台車の機構想像図.

淡水線ほか

 台北MRTの路線は東京メトロなどと同様色分けされており,ホームでも色に従っていれば間違いありませんが,道路と同じく右側通行なので方向に要注意です.ただし車両はすべてステンレスの青帯車なので,ホームに入ってきた車両で何線か見分けるのは困難でした.基本的に6両編成,C3x1という形式のVVVF電車で,メーカーはジーメンスと川崎重工.チョッパ素子がGTOとIGBTのものがあり,日本の電車と変わらないチョッパ音が聞こえます.

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台電大楼駅の様子.両側に通路を配した掘割構造で,真中に階段,ホーム両端近くに階段+エスカレーターがあるのが基本的(※エスカレーターは大阪風に右側待機).乗り降りは日本より行儀がよく,待機位置や列の方向などが白線で表示され,職員が赤色合図灯(棒)でドアごとに整理していました.この駅はホームドアが無いので,電車が写っています.

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北投駅で折返し待ちの淡水線電車.ここから一駅乗り継いだ新北投は,日本の高級旅館・加賀屋がある台北の温泉地です.

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MRT車両の側面中央下部に必ずついていたゼンマイのねじのような機構.ドアが故障したとき回して開けるようですが,日本には無い発想ですね.

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地下駅の電照広告です.夜中の1時から4時まで皆さん寝てる時も,MRTはちゃんとレール研磨してますというPR.「幕後英雄」というフレーズが泣かせますね.忠孝新生駅にて

 台北MRTはこの11月24日に新線が開業する予定で,台北101ビル直下の駅もでき,ランドマークへのアクセスが向上します.自分が訪問したのは2週間前で,新しい駅があるのになぜ入れないんだろうと不思議に思っていました.ほんのわずか時期が早く,新線に乗れず残念!

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新線開業の駅置きパンフレットより.主な運転経路変更は,北投⇔台電大楼が北投⇔象山へ延長,西門⇔中正記念堂が西門⇔台電大楼へ延長の2点です.

 台北MRTは滞在中,何度もお世話になりました.古亭駅などは赤坂見附や表参道のようにホームでの乗り換えに配慮されており,その利便性に感心しました.

(2)高鐵 に続く

コメント(2)

  1. kokifu50000

    MRT懐かしいです。以前に終点の淡水駅まで行きました。初めて乗車した際には切符ではなくペラペラのリサイクルのカードだったのが衝撃的でした。数年ぶりに来月に台湾の新幹線を往復乗車する予定です。。。

    • admin

      台湾新幹線はなかなか快適でした.よいご旅行になりますように.
      彰化機関区と平渓線を訪問してきましたので,順次アップしていきます.

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