年明け早々にタイ・バンコクでの仕事が入り,彼の地の鉄道事情見聞の機会を得ました.ただし今回はスケジュールが非常にタイトで,いつものルポ探よりもかなり駆け足です.
日本からスワンナプーム国際空港に降りると,バンコク街中の終点バヤータイ駅までお世話になる鉄道がこれです.タイ国鉄(SRT)下部組織の運営で,開業5年半とまだ新しい高架鉄道です.1435mm,2.5kV架空線式,路線距離は28.6kmと,東京-横浜の28.8kmにほぼ同じ.車両は独・ジーメンス製のデジロで,普通は3両,急行は4両編成となっています.
駅で配布されているエアポートリンクのパンフpdfはこちら.急行運転に関する部分に「CANCELLED」のスタンプが押されています.
スワンナプーム駅の改札は,空港の地下フロアに直結しています.出札口は自動販売機と有人窓口の簡単な構成(左).自販機は客数の割りに台数が少なく,どこも混んでいました.自動改札機はイチョウの葉のようなバリアが出るもので,台湾MRTと同様.
自動改札機(左)は,行先の駅を押してからコインを投入する方式.お札も使えます.切符(右)は,ICチップ入りのプラ製トークンで,自動改札機にタッチする方式.出るときは改札機に投入します.これも台湾MRTと同様でした.
台湾MRTの記事はこちら
スカイトレイン(BTS:Bangkok Mass Transit System )
2路線(スクンビット線,シーロム線)あり,東京メトロ的な役割の鉄道ですが,高架鉄道で1435mm,750V第3軌条方式です.ジーメンス製の4両編成で,いつも混んでいます.2012年に3連から4連に増強したとのことですが,乗客の立場からすれば更なる増結が望まれますね.
バンコク・メトロ(MRT:Mass Rapid Transit)
これぞ「バンコク地下鉄」ですが,現在は1路線(ブルーライン)のみ.新路線のパープルラインは本年6月開業予定で,総合車両製作所製の車両が現在も搬入中です.路線は日本のODAで建設されましたが,スカイトレインとの接続という名目で,ブルーラインではジーメンス製車両が走っています.今回パープルラインへの日本製車両の導入で,劣勢挽回といったところでしょうか.切符はプラ製トークンが使われており,自動改札機も三菱製がありました.
MRTの車内の様子.スマホに興じる高校生は,どこの国でも同じ光景.
地下道の両側には建設にまつわる電照イラストや王族の紹介が続いており,ちょっとした歴史館の趣き.ゆっくり見ている時間が無く残念!5インチゲージSLに興じる王族(左)とシールドマシン(右).
ICカード
以上の3鉄道はバンコクでは必ずお世話になると思いますが,困ったことに乗車券自販機はいつも2~3人待ちでスムーズに切符を購入できません.ICカードは有るのですが(普通/学割/シルバーの3種),日本のSuicaやPasmoのように共通使用できず,事業者ごとに3枚購入する必要があります.デポ分の50バーツ(B)や,有人窓口でしか購入・チャージが出来ないことを考えると,短期滞在者にはかなり不便!今回はすべて都度購入で済ませましたが,長期に滞在される場合は面倒でもカードを購入されたほうが切符購入の混雑・わずらわしさが無いでしょう.
おまけ:SIMカード
空港の到着フロアに複数の通信会社のブースがありますが,LTE,1.5GB,7days有効のもので,300Bほどで購入できます.窓口が混んでいたので自販機で購入すると1B引きの299B.横に居たお姉さんにスマホを渡すように促され,心配しながら見ていると,SIM入れ替えから設定まで日本語モードのままやってくれました.スゴイ!
フアランポーン駅 1)設備 に続く