4年前に作った庭トロ(籠チキ)は,当初の予想以上に貨物輸送で活躍してくれました(→元記事).ただ木製車体で雨ざらしのためひびが入り,場所によっては下が透けて見える始末.さすがに車体更新が必要だろうということで,全金製で製作してみました.
t2mmのSUS材の折曲げによる床板と,アルミ部材により車体新製.トラ警戒パターンはカッティングシート貼り合せによる.台車は塗装・注油点検済.
旧車体の様子
4年前の新製時(左)と更新直前の様子(右).安物のt20mm集成材を用いたので,塗装はしたものの,接着面に沿って水が浸み込みカビも生え,長手方向にひびが入った状態.
ひびは裏側まで貫通状態.両側のアルミ端梁でかろうじて繋がっているように見えます.
端梁を外してみると,案の定,床板は真っ二つでした.雨ざらし木製車の耐候性はせいぜい4年ということがわかりました.
台車の状態は思いのほかよく,SUSシールド板は濡れスポンジで拭いただけでかなり綺麗になりました.流石ステンレス!
全体をバラシ洗浄後,亜鉛塗料を上塗りし,ベアリングに注油を済ませ再組立した状態.
メンテ完了の台車です.SUSシールド板はスポンジで洗ったのみでほぼ元通り.ステン車両の優秀さが良くわかりました.
新車体
車体(床板)はSUS板をCチャン状に折り曲げたものですが,これはさすがに自分ではできず機械屋さんに外注です.長さ860mm,幅260mm,高さ20mmで,台車取付センタねじ穴部と補強を兼ねて幅100mmのt15mmアルミ板を両側からプラハンマーでたたいてはめ込み,側面からねじ止め.
ねじ止め部には積荷が落ちないようにアルミ端材で滑り止めを設置.突出しているので,安全のため蛍光カッティングシートでハイライト.
連結器
せっかく車体を新製したので何か新しいギミックを・・・ということで,連結器を作ってみることにしました.当初は5インチ用自連を所属クラブから借用し,シリコン型取り・樹脂成型を考えたのですが,型の取外しとキャスト用流路の確保が非常に難しく,あえなく断念しました.代りに3Dプリンタで直接出力しようとしましたが,複雑な曲線を3Dで入力するのがこれまた難問で少しも進みません.やむなく3D-CADデータを検索してみると海外サイトで自動連結器の掲載例があり,複数例を試したのち「小型密連」を1/10スケールで出力しました.
自連は本体とナックルの2パーツを光造形3Dプリンタで出力し,両者をM4-SUS通しボルトで固定.さらにM4長ナットを取付部に樹脂固定し,銀色塗装してあります.胴受けはアルミ端材で製作し,縦横の緩衝器をSUSスプリングで構成.実際に連結/解放もできますが,ナックルに所定の回転動作をさせるには,当たる部分のやすりがけ等かなりの調整が必要です.
端梁に取り付けた連結器(裏・表).エンドがわかるようにカッティングシートのトラ色を替えて製作.ステン車体は硬くて穴開けが大変なので,端梁固定は手摺取付穴により床板下側からねじ止めする兼用構造.
完成車の様子
復旧した庭トロです.連結器ばかりやたら立派ですが,プラ製なのであまり大きな力はかけられません.まあ「飾り」なので良いですが,今後はUV樹脂の耐候性が問題になりそうで,この部分の評価実験継続ですね.
庭トロ本来の使用法.今度は末永く活躍してくれるでしょう.
本稿終わり
コメントを残す