1986年の春から秋にかけて,カナダ・バンクーバーで国際交通博覧会Expo’86が開催され,8月下旬から遅い夏休みを取り1週間ほど出かけてきました.これが訳ありで,前年の筑波・科技博Expo’85に出展されていた日航HSSTに乗車できないうちに,博覧会が終了してしまいました.当時マグレブ(Magnetic levitation;磁気浮上式鉄道)は,国鉄のML500やドイツのTransRapidなど開発ブームで,未来の鉄道車両に乗車できず大変心残りでした.ところがバンクーバーの博覧会に出展されるという話を聞きつけ,筑波での雪辱を果たすべくカナダまで出かけたというわけです.まあ,あのころはバブル崩壊前で,いくぶんゆとりがありましたね.

hsst-1

ほぼ1年ぶりにバンクーバー交通博で再会したHSST-03.線路わきには国鉄のML500も展示されており,磁気吸引型と反発型のマグレブを同時に見ることができました.このHSST車両は現在岡崎市に保存中とか.

hsst-3

乗車前の改札口でアテンダントが解説中です.日航スチュワーデスの出向だったのでしょうか.

hsst-2

改札横に展示されていた3両編成HSST-200の模型.丸鶴の日航マーク入り.横浜博Yes'89で2両編成で運行されたHSST-05の原型と思われます.

HSST-03車内の様子.全47席で,L13.8xW2.95xH3m,質量12t,住友電気製.右は運転席の操作盤で,ボタンのみの単純な構成でエレベーターのよう.

hsst-4 hsst-5

ようやく目的を果たしましたが,試乗ラインということもあり30km/hの低速で,乗り心地は静かだったものの,未来の高速鉄道としてはちょっと拍子抜けでした.なにはともあれ一応の目的は果たしたので,他の展示物も十分堪能してきました.

vc-3

日本館のレイアウト展示で9mmとHOが混在の大掛かりなもの.モニタには首都圏の朝のラッシュ風景が映し出されており,新宿駅の押し合いへし合いの乗車の様子をカナダ人がびっくりして見ていました.

vc-2

ドイツ館から飛び出したTransRapid-07の展示.デザインがかっこよかったです.

vc-1

会場を取り巻く跨座式のモノレール.遊園地の乗り物的で,内部は結構狭く,見合い式で1列2人掛けでした.

スカイトレイン

交通博の開催に合わせて開業した高架鉄道.鉄輪リニアモーター推進システムで,大江戸線をはじめとするミニ地下鉄の駆動メカ元祖といったところ.自動券売機には英仏語に加えて日本語の表記があり,びっくりしました.でも最近では中国語表記に代わってるでしょうね.

st-2

MarkⅠ型車両.コンピュータ制御の無人運転ですが,走行音が結構うるさかったかなと.レール間には白っぽいリアクションプレートが設置されています.

st-1

博覧会会場に展示されていたスカイトレインの台車.車輪間にはリニアモーターが見えます.

バンクーバー中央駅

VIA(カナダ版AMTRAK)の駅があり,大陸横断鉄道が発着します.スカイトレインの駅もすぐ横にあるので,訪問してみました.

vst-1

頭端式の立派な駅で,派手なVIAの看板も出ています.

vst-2

ホーム末端に来ていたCN(国鉄)の入替機1273(GMD製SW1200,1956-60年).

vst-3

こちらはVIAの横断列車本務機の6311(GMD製FP9,1954-58年).A+B+Aの3連かな?

2)港湾地区 に続く