高校の文化祭用に江ノ電の写真をということで,夏休みの最後に自転車で撮影に出かけました.当時の撮り鉄は,写真屋まかせのカラーではなく,ピントがシャープでコントラストの利くモノクロ,しかも現像から焼付け・引伸しまで全て自分で出来て一人前というのが矜持.写真部で1年ほど修行していたので,一通りのプロセスはこなせるようになっていました.撮影から帰ってフィルムを現像すると,これがほぼ真っ白のコントラスト抜けのネガ.2本しか現像してないから大丈夫だろうと,2ヶ月前のフジドールを30℃超の室温で現像した為の失敗です.やむなく翌日炎天下2度目の撮影に出かけ,今度は新品の現像液を使ってまともなネガを得ることが出来ました.こんなに苦労して得たネガも今となってはカビだらけなので,例によってプリントからのスキャナ写真です,
(特記以外の撮影日:1975年8月28日)
このころの江ノ電は単編成が当たり前で,2編成運転は多客期のみでした.現在のような冷房完備の華やかな車両は無く,クリームと緑の江ノ電カラーのみ.300形連接車が主役で,500,600,800形が脇役を勤めていました.

炎天下の和田塚駅で集札中の車掌さん.車両は元玉電の602号.この車両は651に改番され,先頭部が江ノ島駅近くの和菓子屋さんに保存されています.※この写真,2018.9.1放映の「にじいろジーン(フジTV;関西TV制作)」で紹介されました.

由比ガ浜-長谷間を走行する501号藤沢行きで,上の列車の戻りです.丸っこいモノコックボディーの形がわかります.この付近,線路側に玄関がある民家があり,どうみても線路が通路.踏切横から玄関まで,線路脇に敷石が置いてある場所もありました.
長谷駅から極楽寺駅に向かってトンネルで山越えを行うので,短い区間ですが登山鉄道的な雰囲気になります.ここを超えて極楽寺車庫の少し先からは海岸線を走り,江ノ電きっての風光明媚な区間で,映画やTVドラマなどでもよく登場する場所です.
腰越から江ノ島までは道路併用区間で,昔から電車の通行幅を示す白線が引かれていました.
(おわり)