東海道線の荷物列車は,EF58牽引でスニ,マニ主体の客車列車と,クモユニ単独または普通列車に併結したものがありました.おおよそ名古屋を境に両者の運用が分かれ,客レは九州まで,田町区に集中配置されていたクモユニ74は静岡県内での折り返し運用に多く用いられていました.以下,70年代の東海道線での記録です.

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857M沼津行の先頭に立つクモユニ74.後ろは111系の11両編成.クモユニは111系のカルダン音と異なり吊掛式の重いモータ音を響かせてやってくるので,併結列車であることが遠くからでもわかりました.保土ヶ谷-戸塚間,清水谷戸にて.1972.2.13

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わずか15分後にやってくる859M熱海行の先頭に立つクモユニ74.ヘッドライトがシールドビームなので,当時南チタにいた012-014のどれかでしょう.上の写真と比べると,このロットは妻面のジャンパ栓受けがありません.清水谷戸にて.1972.2.13

 東京駅東海道線ホームの新橋寄りには切欠きホームがあり(8,14番線),特に7-8番線あたりには列車から切り離されたクモユニ74がいつも数両たむろしていました.荷物扱い所のちょっと薄暗い雰囲気で,サボを収める棚などもあって,華やかな東京駅中央部とはかなり異なる独特のムードがありました.ここはエレベータと地下道により,丸の内の東京中央郵便局や八重洲口の新幹線ホーム下にあった小荷物扱所と繋がっていました.

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東京へと向かう896Mのしんがりを勤めるデカ目のクモユニ74.電車は153系でサロの帯も緑です.保土ヶ谷駅.1974.5

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冬の夕暮れの中,清水谷戸トンネルへ向かう沼津発898Mのクモユニ74.この辺り今は東戸塚駅北側ですが,当時はただの築堤と原っぱでした.牛のいる牧場は現在も健在.1974.12.15

なお,クモユニ74の走行動画は本ブログに掲載済みですので,ご覧ください.
クモユニ74の動画掲載ページ(3番目です)

 横須賀線には荷電が併結されることはありませんでしたが,クモニ83の専用電車が走っていました.大船電車区にはこの頃,クモニ83-008,804,805の3両がいたので,以下は800番台の2連と思われます.

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横浜駅の6番ホームを大船方面へ下るクモニ83-800番台の2連.運行番号に91Sが見えるので,汐留発久里浜行の1491Sでしょう.1973.4.1

 なお,一本前の記事に掲載したクモニ13については,山手線近辺でよく見かけましたが,こちらは一般小荷物よりも工場や電車区の配給用に使用されていたようです.
 近距離小荷物輸送はすっかり宅急便に取って代れましたが,省エネ,公共交通手段の効率的使用などの観点から,新たな小口輸送システムとして是非復活して欲しいですね.

今回も次のHPを参考にさせていただきました.:デンチュウの鉄道ページ

(おわり)