遠州鉄道・西ヶ崎駅には御年91歳(1925年製)のED28-2が居ます.国鉄ED17などと同じくEnglish Electric社製と由緒正しく,小さな凸形電機(Steeplecab EL)として貴重な存在です.前回は車中から通りすがりに見ただけでしたが,小さな青いフォルムが忘れられず,例によって仕事の合間に遠州西ヶ崎駅を訪問してみました.

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遠州西ヶ崎駅構内の略図.ED28は保線基地の横に留置されており,ホームからも観察可能です.※細部相違の責は負いません.

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ホームに降り立つと,ED28のほかにモーターカー,保線トロ,ホキ800など遠鉄保線車両がオールスターで出迎えてくれました.

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全長9m弱,自重25tチョットとサハ並みの軽量級.台車はデッキ部分も兼ねており,灰色の部分全体が首を振る構造.床から飛び出たテールランプ,ボンネットに半分埋め込まれた水雷形ベンチレターも独特の味わい.社紋のついている小箱部分は,ガラリがあるので抵抗器が入っているのでしょうかね.

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リベットでがっちりと組まれた板台枠に重ね板ばねと,小型ながら重厚な造り.ただし,イコライザー機能は無いように見えますし,軸受けも平軸受けと,いかにもEL黎明期の仕様.

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反対側の様子.抵抗器箱(?)は左右で対象配置となっています.排障器も逆ハ型のものがちゃんとついてますね.

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MJK(松山重車輌工業)製のモーターカー.レール用のトロ台車は3両編成でした.ドローバーは取り外されてバラスト上に取り置き.

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ホキ800も3両いました.左は801+802,右が803.

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昭和37年浜松工場製の楕円銘板がついているので,まさに地元産.

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倉庫側から見たED28+バラスト列車の様子です.役目を終えた自動販売機や踏切遮断機も集積されていました.

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倉庫裏に置かれていたインピーダンスボンド(左)やレール塗油機(中央).塗油機そのものは大阪・草野産業製ですが,使用する鉄道レール用特製グリスが大阪・山文油化製の「アラジン・グリス」なので,通称「アラジン塗油機」.最近はセラミクスジェットや車載形のものが出現し,活躍範囲が狭まっているようです.

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駅横の自転車置き場から撮った2000系とのツーショット.

新浜松駅にはモハ51+クハ61が留置されていますが,目下予備車扱いということで,モハの車輪にはスコッチが噛まされていました.

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新浜松駅に留置中のモハ51+クハ61.昭和55(1980)年の日車製ですが,冷房付のカルダン車ということで,廃車を免れているのでしょう.

モハ51のサイドビュー.窓よりも低い位置にある方向幕が独特.また運転台サイドに設置された形式板や検査表記も浮き彫り文字の立派なものが付いています.日車の製造銘板は,小型楕円形がサイドに取付てありました.

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西鹿島行きの1000系とのツーショット.今回の訪問の締めくくりです.

遠鉄ではED28を大事にメンテしており,展示運転なども行われています.博物館入りの古豪車両が増える中,今後も現役で末永く活躍してほしいものです.

(本稿終わり)