前掲の地下鉄フアランポーン駅から連絡道をたどると,国鉄の地上駅に迷うことなく到着します.駅構内は市内交通と異なり警備もそれほどでなく,ホームの線路横断も自由という南国風の緩さにすっかりハマッてしまいました.
駅設備
バンコク中央駅ともいうべきフアランポーン駅の正面.大きな窓のあるドームと白と金の配色が綺麗です.右の飛行機マークのあたりが地下鉄連絡道.
なんとなく上野駅・広小路口を彷彿とさせるコンコース.ドームファサードの窓が明るい.両側の一段高い場所には飲食店のテラスが設けられています.
中央の小アーチ部がホームへの通路.駅員や警察官は一応いますが,お咎め無しのフリーパス状態.左側にはコンビニなどの売店街,右側には有料トイレ(3B)があります.
昔の国鉄幹線駅のようにズラリと並ぶ出札口.モニタ表示とPC発券で近代化されていましたが,自動販売機はありません.
アーチ通路を通って振り返るとこのような感じ.ド-ム天井部が透明になっており,かなり明るいですが,DLと客車冷房用エンジン排煙がこもって,チョット煙たい.
エンジンに燃料を供給するローリーがホームに乗入れていました.
涼しそうな待合室があるなと思って入ろうとすると・・・,イスラム教徒用の礼拝室でした.奥が男性,手前が女性用.
客車のバッテリーを搬送中のリアカー.車のものよりはるかに大きくて重そうですね.
分岐機の標識灯.日本の橙・紫の色灯式と異なり,対向は|/で進む方向を,背向は●■で進入の可否を表示する方法.直感的ですね.
ホーム上には昔懐かしいサボ棚がありました.東京や上野のホームにもありましたね.
サボは良く見ると木製で,かなり厚い仕様です.
7番線にはこの駅最大のサボ置き場がありました.線路の横断は自由ですが,列車入線時のベルやアナウンスは無いため完全に自己責任!右よし,左よしの指差喚呼が必要.
ホーム末端には制輪子の木箱がありました.これはホームでの取替えに使用.
駅本屋近くのホーム上にはDepature Train Station Masterと書かれたブースがあり,置台には作業報告の紙バサミが沢山置かれていました.その左のTrain Tracking Systemと書かれたブースでは,女性職員さんがPC操作でポイントの切換を行っているようでした.
1-2番線は地下鉄に使用されているので,国鉄の地上駅は3番線から始まり12番線で終わります.車止は砂利盛りとシュー式の組み合わせ.
C56保存機
フアランポーン駅の西北には国鉄本社と隣接した整備工場があります.この近くにC56が保存されており,12番線ホームの先を行くと特徴的なテンダーが見えるので,すぐにソレと分かります.
ホーム末端で保存されているC56の様子.白いのはタイ国鉄の殉職碑と思われます.
714号機は元C56-16.昭和10年3月,日立・笠戸製で,小海線・中込機関区で活躍の後,陸軍に徴用され,昭和17年大宮工場でメーターゲージに改軌後,渡タイ.
キャブの様子と,テンダーの連結器周り.フック式で,靖国神社・遊就館のC56-31と同様のもの.
上部が多少改造されてますが,切り欠きテンダーはC56そのもの.
のどかな小海線から戦争中のタイへ,という数奇な運命をたどったC56ですが,現在はバンコクに安住の地を得,タイの鉄道関係者の皆さんに大事にされているようです.
フアランポーン駅 2)車両 に続く