西条駅はホーム2面3線のごく普通の橋上駅で,2015年竣工と新しくモダンな印象です.また町全体も道路や建物が新しく,横浜で言うなら港北ニュータウンのような雰囲気でした.しかし駅のすぐ横には賀茂鶴,白牡丹,亀齢などの蔵元が密集し,吟醸酒発祥の地として歴史を誇っています.何はともあれ鉄系では,瀬野八補機の切り離しがホームで間近に観察できるということに尽きるでしょう.
西条駅の配線は下図のように5線で,観察した限りでは1番線は下り旅客と通過貨物,2番線は下り待機用中線,3番線は上り旅客/貨物共用,4番線は下り旅客,5番線は貨物用に使われていました.補機の切り離しパターンは2通りで,①5番線に入った場合は切離し後,800mほど岡山方の引上線に進んだ後,スイッチバックして中線に転線し回送待機,②3番線では切り離した場所で待機し,そのまま下り線に転線します.
駅近くのホテルに宿泊したので,主に朝と夜の貨物列車を撮影することができました.
朝のホーム
7時前に駅へ向かうと,もう単機回送やコンテナ列車が止まっていました(※3日間の取材を時間順に並べているので,機関車の番号が重複している場合があります).
中線からの回送出発です.駅横の道路は絶好の撮影場所ですが,狭くてたまに車が来るので要注意.
5番線に入るとすぐ,片目の入換標識灯モードとなり,開放作業が行われ,ほんの数m後退して停止・待機します(左).この後,入換信号機の指示に従って,通勤客の待つホームを横目に引上線に向かいます(右).
ほぼ10分後には,EF210-5牽引の別のコンテナ列車がやってきました.
解放された102号機が引上線に向かい,一時停止中(左).こののち,入換信号機の逆L表示(「)に従って,右側へと転線していきました(右).
この間,広島への下り通勤電車が何本も発着します.電車と機関車のツーショットが撮れるというが西条駅の醍醐味でしょう.
到着と解放作業
8:07頃,西条駅に到着する5074レ,東京貨物ターミナル行です.前はEF210-172,後補機はEF67-102.(87秒).
1番線側から撮影した102号機です.ホームを移動しているうちに303号機は出発してしまいました.
岡山方の停止位置
“岡山方の貨物列車停止位置はマンション横にあり,軽自動車がようやく通れる狭いアンダーパスがあります.出発信号機も林立しています.
2086レの発車シーンです.24両のコキ,1200tはさすがに長い(119秒).
夕方の下り
夜間作業
貨物列車の多い時間帯ですが,なんせ照明状態が悪いので,スチル以外はなかなか難しいですね.今回はラッキーなことに東福山駅からのレールチキに出会うことができました.
レールチキ
この間EF67-105の補機を勤めるコンテナ列車が来たり,227系が来りで結構賑やかでした.EF65がようやくパン上げしブロワーを入れたので,出発を待ち構えビデオも撮ったのですが,ホームからチョイ外れると,映像は真っ暗で音のみ.90分近く待ったのに,実に残念!
上記スチルの合間に取ったビデオです.夜の駅の賑やかな一瞬でした(31秒).
というわけで,西条駅では貨物列車を久々に身近に感じることができました.昭和時代の東海道貨物列車の機関車バラエティー,EH10,EF60/65,EF10/12/13/15等々に比べれば,EF210のみに集約されてしまったとはいえ,コンテナ貨物には頼もしさを感じられます.貨車もコキ全盛で昔の貨物列車の車種の多様性が無くなったのは趣味的には残念ですが,ユーザー/技術的視点からはコンテナ化は必然だったでしょう.EF67(ex.EF65)の健在ぶりは,同年輩の活躍を見るようでうれしかったですねぇ.
3)広電 に続く