2)貨車区

 京葉臨海鉄道には貨車の検修を行う「貨車区」があり,JR貨物から交番検査の委託も受けています.クレーンを備えた検修庫がありますが,南側は検修受託のため増築した部分で,緑色の新しいクレーンが設置されていました.ここでは交番検査のうち特に指定取替等を行い,ブレーキ弁の交換やブレーキ周りの整備が主要な仕事内容ということでした.

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詰所の前に「貨車区」とだけ記入されたシンプルな標識.検修を受けるべく,タキ43000やタキ1000が留置されています.

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検修庫は機関区と同様2線分ですが,奥行きはコキ5~6両が収容できる長さ.

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見慣れたJOTのマークも近くで見ると,ずいぶん複雑な形状の板に載っていました.

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職長さんから検査標記についてレクチャーを受けているところ.一番に大きな白枠は「全般検査票」.その左上の小さな白枠は「交番検査(指定取替)票」.検査周期標記「A1」の右側にある小さな紙挿しが「交番検査票」.前2者は周期が年単位で長いのでペイントですが,交番検査は数十日ごとなので,交換しやすいように小型の紙製です.また,タキの形式標記下の白いステッカーは2年有効のタンクの検査シールで,これは車両所有者が専門業者に依頼するとのことでした.走行部とタンク部で検査体系が異なることをはじめて知りました,

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タキの台車に設置されている積空切替装置.自重の約3倍の石油を積むため,バネの下降がリンク機構により切替弁へ伝達され,「空」→「積」となってブレーキ力が自動調整されます.

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コキ収容中の庫内の様子.手前のトラス構造の地上走行クレーンに比べて,奥側は天井走行クレーンになっています.一体に見える建物でも,設備に時代の差が感じられ面白い.

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検修中のコキ106-958の車票.東京貨物ターミナルから指定取替のため,列車指定で送り込まれてきたことが分かります.

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同車の検査標記.全検,指定取替とも前回は広島車両所.交番検査は郡山総合鉄道部と全国ネット.右側には大井機関区から千葉貨物→千葉機関区への回送指定の票が挿してあります.

 見慣れたはずのタキ,コキでも間近で見て細部に渡るお話をうかがうことが出来て,大変勉強になりました.また指定取替の内容も,ブレーキロッドの交換場所を細々と指定した紙が挿してあったりで,興味津々でした.この後客車区をあとにして,現役のヤード見学へと向かいます.

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KD60-4によるコンテナの入換が始まりました.

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するとそこへ蘇我駅から空返のタキを牽いたKD55-201がやってきたので,カメラを十分構える余裕も無くあわてて撮影.まさに貨物ヤードの醍醐味.

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少数派になった黒タキ43174も健在でした.全検標記が「30-9-12」になってるので,しばらくは元気な姿を見られそうですね.

 ヤードの端にはなんと「銀タキ」,タキ143645が留置されていました.昭和62年に日車でただ1両作られたステン試作車です.ちょっと前まで「郡山駅常備」だったはずですが,「浜五井駅常備」に変更されていましたので,首都圏近郊で活躍する姿を見ることが出来るのでしょうか.

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銀タキの手ブレーキ側(後部)の鏡板.ステンレスタンクのはずですが,ステン独特のピカピカな風合いが無く,銀ペン塗装しているように見えました.最新のステン電車のようにダル仕上げでもしているのかな?右側のステップが手ブレーキの鎖をかわすため,微妙にカーブを描いています.

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「これが噂の銀タキか」と,しばし見入った次第.台車はタキ用撫で肩のTR214ではなく,コキ1000から転用TR215なので,両端が角張っています.「川崎車両所29-9-19」の全検標記があったので,こちらも当分安泰.でも車輪踏面がさびてるので,動いてる気配が無いですね.

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せっかくなので真横の写真もおまけ(クリック:3591x1324pixel, 300dpi).

3)ヤード・設備 に続く