ジョイフルトレインという呼び名が無かったころ,東海道線では団体専用列車としてEF58牽引の南シナお座敷列車がよく見かけられました.車両は60系改造のスロ/スロフ81で,くすんだ紺に白帯といういでたちは,やはりくたびれた感じが否めません.そこへ’83年8月に颯爽と登場したのが14系改造のサロンエキスプレス東京で,前後のパノラマ展望車やチョコ色に赤ラインで一世を風靡しました.何とか乗ってみたいとは思うものの,予約はコンパートメント毎の6人制だったので,鉄研仲間でツアーを結成し,’84年のゴールデンウィークに運転される臨時列車「サロンエキスプレスそよかぜ」の予約を申し込んだところ,4月30日に往復乗車することが出来ました.この列車は現在当たり前の湘南新宿ライン経由でしたが,当時は運転経路的にも珍しい列車でした.
 9011レ:逗子8:14→高崎11:21→横川11:56→軽井沢12:14
 9012レ:軽井沢13:38→横川14:04→高崎14:40→逗子17:34

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逗子駅に進入する回送列車.この日の牽引機はEF65-1111[東].ヘッドマークは両エンドに取付済み.

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1号車のスロフ14-701から,機回作業を観察.ホームにはカメラ小僧が多数出没.

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列車横をすり抜けて東京方へと向かう牽引機.休日朝早いにもかかわらず駅構外にもファンの姿.

コンパートメント横の廊下は寝台車の様.6人部屋はコーナーが曲がった4人用ソファに2人用ソファが向かい合わされていました.

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逗子駅3番線を出発する「そよかぜ」.助役さんと駅長さんが直立不動で見送っています.

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笠間大橋付近で113系とすれ違い.右の高架は本郷台駅への貨物分岐線.

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戸塚区飯島付近で東海道線をオーバークロスしていることころです.展望室横に1つだけ開けることのできる窓がありました.

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7号車のスロフ14-702から機関車を望む.乗客は皆,車内探訪に夢中で,コンパートメントに大人しく座っている暇は無し!

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高崎駅で横軽用EF62に交換のため暫時停車中.交換も見たかったのですが,ファンでごった返していたので,後尾の写真のみ.

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横川に着くとEF63の付替えで展望席はカメラの放列.ホームも列車から降りたファンでいっぱいでした.

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この日の押し屋は2号機と?(データ無し).

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サロンEXPの後尾にソロソロと近づきます.

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ブレーキ管も繋いで,列車組成完了.この後は,釜飯売り場に猛ダッシュでした.

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組成中に峠を降りてきた上野行「あさま」,189系11両編成.側線には115系もいますね.

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これぞ横軽の展望車ビュー!

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軽井沢駅跨線橋から横川方を望む.折り返しの列車が待っています.軽井沢観光をする間もなく,則,帰りの列車に乗り込みました.

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改札ホームより列車を望む.9カ月前にできたばかりの新車状態でした.

 サロンEXPが団体イベント列車→お座敷列車のイメージを打破して,この後のジョイフルトレインブームの立役者になるとは,この時は思いもしませんでした.「ゆとり」として再活躍するも2年前に廃車された今,華々しかったころの懐かしいイメージをNゲージ模型に求めるのみです.

(本稿終わり)