1974年の春休みに九州の北半分を,長崎→島原→熊本→大分→博多の順で旅行しました.東海道口と異なる鉄道の様子に興味津々でしたが,観光が主体だったので残ってる鉄道関連写真が意外と少ないです.今回は史料価値のありそうなものをテーマ無しのバラで,スナップとしてupしました.

長崎電軌360型

 はやぶさから下車すると,長崎駅前では路面電車が元気に動き回っていました.横浜では廃止されてしまった路面電車を久々に見ることができて,懐かしい気分でした.

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長崎駅前で捉えた1系統「正覚寺下」行です.ナンバーが読めませんが,窓配置や扉の位置からすると360型でしょう.現在は冷房化されていますが,この頃は路面電車の冷房など望むべくもありませんでしたね.派手な塗り分けにシマノの広告,Zパンタ(ビューゲルの改良版)が新鮮でした.1974.3.28.長崎駅前.

島原鉄道キハ55

 長崎観光を終えて島原に宿泊しましたが,この時乗ったのが島原鉄道の急行キハ55.国鉄のキハ55と共通設計で国鉄にも乗り入れていました.キハ82のようなヒゲで,国鉄車と簡単に区別できました.
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乗車翌日に記念に島原駅で買った島原鉄道の急行券.赤斜線がシブイです.国鉄初乗りが30円だった時代,50円はちょっと高め.

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夕暮れの諫早駅で出発待ちをする島鉄キハ55急行.丸い急行マークをつけています.左ホームにも島鉄車両が見えます.国鉄DCは雑型混在の様相.1974.3.28.諫早駅.

実はこの列車,調べてみるとDC急行ならではの多層階列車でした.
1)まず小倉14:45発307D「いなさ5号」長崎行に島原鉄道の車両が併結.
2)博多でさらに「弓張3号」佐世保行を併結.
3)佐賀では「弓張3号」を分離し,熊本発佐賀線経由長崎行の「ちくご」を併結.
4)諫早で島鉄のキハ55を切り離し.
とてもややこしいので,図にすると以下のようになります.

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というわけで,昔の列車編成表つれづれに掲載した「大社」よりも複雑な列車構造で,国鉄時代の工夫が偲ばれます.

熊本機関区

島原からはフェリー経由で三角に上陸し,三角線DCで熊本に向かいました.この時ホームから撮影した熊本機関区の写真です(3枚とも1974.3.29).

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運転準備中のC11-191[熊].半年後には行橋へ転属してしまいました.水タンクの補強が2本見えます.機関車後ろの大型給炭設備も「鉄道設備過去帳」モノです.なおこの機は現在宮崎の児童交通公園で保存展示中.

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ナンバープレートを外され休車となっていた69665.庫内はC11,左のDCは荷物室ドアが見えるのでキハユニ26でしょう.

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ホームから見た熊本機関区の様子.C11が安全弁を吹かしている一方で,給炭・給砂設備の間には新鋭DE10が居ました.

立野駅のC12混合列車

阿蘇火口見物のあと,立野駅までバスで出ました.ここでは期せずしてC12の混合列車の組成作業を見ることができました.秋のダイヤ改正ではすべてDC化されたので,千載一遇のチャンスでした(1974.3.30).

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立野駅に到着した126レからC12が外され,右側のホーム奥に停車中の貨車を引き取りに来ます(写真右端の貨車ではありません).

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鹿児島から転属してきたC12-241[熊].この年の7月には廃車となりましたが,現在門鉄デフ付の姿で,まさにここ立野駅前で保存展示中です.

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外輪山に汽笛をこだまさせての入換作業です.よく見ると緑ナンバーですね.

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留置されている4両編成の貨物列車から,ワム90000×2両をバックで引き出すC12-241.

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先ほどの126レ客車後部に回り込んで貨車を連結し,高森行127レの混合列車組成が終わりました.C12はこのまま逆向牽引するので,ブロワを吹かせて火室の整備中.

発車シーンも是非見たかったのですが,乗車する「ひまわり1号」大分行の発車が3分先行していたので,やむなくこれで見送りとなりました.混合列車の現物を初めて見ることができ,大満足でした.

大分駅

以下2枚,大分駅近辺ですが,正確な撮影場所が何ともはっきりしません.DC急行「西九州」2606D車中からの撮影と思うのですが,大分運転所のようにも見えます.しかし,久大線は駅を出てすぐに曲がってしまい,運転所のある牧駅方面には向かいません.大分駅構内にこのような設備があったのかな?(1974.3.31)

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寝台車,入換用DE10,DF50,赤EDが見えます.

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こちらは近代的なシェッドの前に群なすED76.

西鉄線

「西九州」で鳥栖に出て,廿日市から大宰府に向かい天満宮に参拝した後,西鉄で福岡に向かいました.2000系は斬新な正面デザインとカラーで是非乗りたい車両でした.フィルム切れだったようで,8mmの動画がわずかに残っています.

西鉄福岡駅構内の様子.ボケボケの8mm動画ですが,モ303,当時の新車2000系,600系などが見られます(たった6秒).

福岡市内にも路面電車がありましたが,ご多分に漏れず廃止が進行していました.

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天神でスナップした501と562号.ゲタを履かせたパンタグラフが独特(1974.3.31).

おまけ

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厳密には九州ではないですが,下関で出会ったEF81-301[門]+EF30.ステンのEF81は関門トンネルでなければ見られず,301は製造後7か月でピカピカの新鋭機でした(1974.3.31下関駅).

(おわり)