庭トロの線路は完成したものの,車両のアテがありませんでした.そこで本来の目的である玄関→勝手口の輸送を第一に考え,買い物カゴが2つ載せられる単純なフラットカー;籠チキを急ぎ製作し,目下,露天暴露・耐久試験中です.ゼロスタートでは大変なので,これまで作ってきた台車や部材を組み合わせ,支障なく通行できる寸法(幅,高さ,長さなど)を現物合わせで検討しました.
初めに低床式のほうが積荷が倒れにくいだろうと思い,高さの低い台車(小)で試してみましたが,軽さが災いして小砂利や枝などを踏むとすぐに脱線し,使い物になりません.そこでモデルニクスのφ106mmのプレート車輪を使った台車(大)で試したところ,安定した走行となりました.重量も機能の一つですねぇ.
またシェッドを設ける場所がないので,この車両は野ざらしの状態となります.床板は防水塗料でまずOKですし,台車内部も床板が屋根代わりになります.ただ,鉄製の軸端とベアリング(ピローユニット)は剥き出しとなり,ここに雨滴が直接かかるのを避けたかったので,ステンレスの端材で台車カバー;防水板を製作しました.

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「籠チキ」の現況.レール面上10mmまで下したステンレス製防水板が,戦車の防護板みたいに見えます.

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下から覗くとこんな様子で,台車センターピン(ねじ)とローラー式側受けを両側に配した単純な構造.床板は集成材の定尺物(W255xL910xt15)で,端梁をアルミ形材で補強し,取手とゴムバンパーを設置してあります.斜め紅白の反射材は適当なモノがなかったので,赤テープを斜めに切って白テープにチマチマと貼り付けたもの.

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「7i 私のお買い物かご」が2つピッタリと載るサイズで,当初のミッションはクリア.籠チキという名称もナルホドと納得いただけると思います.

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現在の動力は当然人力.屈んで動かすのは辛いので,イレクターパイプで専用の「駆動棒」を作り,取手に引掛けて押し引きします.

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空車でもカーブを脱線せずに通過.フランジのきしみ音も,ちゃんと聞こえます.

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最大の難関だった裏口階段部も8mm程度のクリアランスで無事通過.

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勝手口のホームに到着.ここから室内に引き入れますが,段差と距離があり,リフトと横取りスライダーが今後の課題.

小物の紹介

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玄関側の取外式車止.設置当日に製作者が突っかかって踏み倒したので,即使用停止.アクセサリーと化し,階段横に停止位置標識を別途設置となりました.

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反対側の車止とバンパーの位置関係.バーの直交部近くに当たるよう,幅を調整.車両に前後はありませんが,取手の数で向きが識別できるようにしてあります.

ねじ止めで取外式のテールライトも作りましたが,野ざらしだと電材の防水が心配なので普段はお蔵入り.

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夜中に活躍することはまずないと思いますが,やはり赤いテールライトには惹かれるものがありますね.

さて動力化と自動運転ですが,鉄道技術の常としてある程度の試験期間が必要なので,ちょっと先になりそうです.

本稿終わり