彰化からの帰路は高鐵ではなく,西部幹線の特急「自強號」に乗車してみることにしました.駅の自動販売機で乗車券,指定券を購入しホームに入りましたが,この間,駅設備や構内を観察しました.

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彰化から終点・七堵までの乗車券・特急座席指定券.赤丸印は車掌さんの検札印.青角印は七堵駅での下車確認印です.台鉄では確認印をもらうと切符をもらうことが出来ます.

 

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彰化駅の正面です.ヤシの木が南国風.観光バスが連なっていました.

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駅上の跨線橋からの構内の様子です.貨車,客車,移動機などが混在し,昔の日本の駅を思い出させるちょっと懐かしい風景.

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小荷物扱い所(行李房)も跨線橋直下にしっかりと存在しました.バイクの女性が荷物を発送に来ていました.

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日本の亜幹線区の駅のようで,来たことがあるかな(?)とデジャブを起こさせるような彰化駅構内.

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跨線橋は広く内部も立派で,Rのある窓枠が個性的.

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構内に留置されていた旧客.インドからの購入車TP32200型で,右からTP32220,TP32210.小窓の連続とステップ付のドアが特徴的(TP:Third class Passenger car).左端は自強號用のEL,E1000.

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電纜(電線を糸巻に巻いたもの)を積んだチキが2両いました(左から5000型5066+6096).台車はTR209系のようにコロ軸受で,三角おむすび形の軸端が回るタイプ.※これは一般貨車ではなく,電力区のトロリー線張替用の作業貨車でした.

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トキ×3+ワキ×2+自強號用PC×2+ワフが止まっていました.後で気づいたのですが,ワフのテールライト周りの円盤フリップは,停止時は青にされているようでした.

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イタリア・ソシミ社製の自強號用電車,E300系が構内入換で現れました.先頭はトップナンバーのEMC301で,3両ユニット3連の9両編成.

 駅の北東側ホーム近くには彰化電力段(区)があり,大型のメンテナンス用の車両がおりました.

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彰化電力段の建物と青い作業車.

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メンテナンス車両「彰化CM10」.トロリー線補修用と思われます.

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電力段の奥にいたメンテ車両「CM08」.後ろに移動機がいます.

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本線中央にいた「彰化CM06」で,トロリー用らしく屋上がにぎやか.

 さて,出張の合間を縫い早朝に出発したので,腹ペコがこたえてきました.しかし乗車する自強號に車内販売があるかどうかわからないので,念のため弁当を購入しておくことにしました.ホームにはキオスクのような売店があり弁当を売っています.購入方法がイマイチわからなかったのですが,冷蔵ケースから取り出し代金を払うと,電子レンジで温めてくれるコンビニ的システムであることが判明しました.唯一困ったのが,売店や車内販売でビールなどのアルコール飲料が一切無いことで,左党の皆様には事前にコンビニ等で購入されてから乗車されることを強くお勧めします.

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この日食した「鐵路便當(弁当)」は,焼肉+排骨でした.台湾のお弁当はなぜか目玉焼き又はゆで卵が必ず付いていました.これでナント60元(¥200)なので,ノリ弁より安いです.

ホームで列車を待っていると,E1000型ELを先頭に「自強號116次(号)」がホームに滑り込んできました.

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プッシュプルトレイン方式の「自強號」が入線してきました.推拉(押引)式という漢字標記に納得.

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韓国・現代製PPT(Push Pull Trailer)1000型,PPT1166の車内.485系のサハに乗っているような印象でしたが,台車の直上にしては構体全体に響くビビリ振動があり,シートがかなり共振し乗り心地はイマイチでした.

 列車は快調に進み,山線のトンネル区間も問題なく通過しました(西部幹線の一部は海線,山線に分かれますが,海線は山線の急勾配を緩和するため,1922年に完成した新ルート).苗栗駅に入る直前に,左手に保存車両の群れが見えましたが,時間がないので今回はやむなく通過です.山佳-樹林間の車両基地を通過し,台北近郊の地下区間を経て,ほどなく終点の七堵駅に着きました.

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先頭客車は半室構造で,楕円窓の引戸で仕切られています.

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引戸を開けるとそこは自転車の保管スペースでした.台鉄では「人車(自転車)同行」というサービスが充実しています.

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終着駅七堵で改めて撮影した機関車E1034.力行時には派手な冷却ファンの音を屋根から響かせます.

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南アフリカ・ユニオン社1997年製の銘板.南アの機関車は日本人には珍しい!

 七堵駅には車両基地があり,多くの車両が休んでいました.八堵から先は分岐して基隆方面の西部幹線(盲腸線)と東部幹線に分かれます(基隆が門司港,八堵が門司という関係に置き換えると分り易いと思います).せっかくの機会を有効に生かそうと,基隆まで行ってから台北に引き返すことにしました.乗車券は七堵までなので,いったん改札を出て悠遊カードでホームに入り直します.この時,改札で切符が欲しい旨申し出ると,確認印を押してもらって切符を持ち帰ることができます.今回は年配の女性駅員さんが,こちらが鉄道ファンであることを察して,微笑みながら押印して渡してくれたので,こちらも満面の笑みで「謝謝」と返しました(本ページ最上部の切符).

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基隆駅前の様子です.目下高架駅に工事中のようで,ホームの向こう側で建設工事が行われていました.丘の中腹にハリウッドのような「KEELUNG」の文字が見えます.彰化は晴れでしたが,ここはかなりの雨で移動と撮影に難儀しました.

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苗栗行1223レ.連結部付近が独特の造形のEMU700型,713号車.8両固定のVVVF車で,この編成は2007年,台湾車輌公司製.ドラエモンに登場するスネ夫に似ているので,台湾のファンからは「スネ夫号」のアダ名を献上されているそうですが,ナルホド上手いネーミングですね.なお,ホーム横では高架の建設工事が行われていました.

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基隆駅の車止め.埠頭の防舷材の応用で緩衝式には違いないですが,日本ではゴム電やモノレールでよく使われる手です.

 基隆ではコンテナ輸送が見られると思ったのですが,コキなどは影も形もなく,すぐ横の高速道路をコンテナトレーラーが行きかっていました.やはりモーダルシフトでしょうか.負けるな台鉄!と応援したくなりました.

5)平渓線 に続く