幸いなことに函館では震災当日の21時過ぎに復電したので,さっそく携帯に充電するとともに,再停電しないうちにと夜中にコインランドリーやシャワーを済ませました.翌日からはレンタカーで小樽駅に向かう予定を組んでいましたが,鉄道は未復旧で車両系の取材は難しかったので,ゆっくりと積丹半島経由で小樽に向かいました.

寿都鉄道

寿都鉄道の痕跡を見たくて,黒松内経由で向かってみました.

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寿都町庁舎.建物左端の1階窓下に駅銘板があります.向かい側の道路端には,ダルマのワラと国鉄コンテナC10-903の物置(?)が放置されていました.

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寿都駅の駅名板がポツリと.「すっつ」が「すつ」という表記になってますね.これ以外は駐車場と化しており,鉄道の痕跡は何もありません.しかしここからニシン満載の列車が出ていたんでしょうね.

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ビシッと整備された寿都漁港です.町全体も新しい建物が多くきれいな雰囲気でした.ふるさと納税したことがあるので,ナンボか貢献してるかな.道の駅は閉鎖,停電で出漁できないということで,売店も塩乾物以外は在庫なし.

積丹半島まわり

 寿都から積丹半島を大回りして小樽に向かいました.途中,泊原発の横を通り,これが動いていれば停電も軽減されただろうにと残念.道中,どこでも開いていたセイコーマートに感心です.

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神威岬にも寄ってみました.北海道の海岸部には柱状の奇岩が多いですね.

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余市のニッカウヰスキーを素通りするのは勿体ないということで,当然の寄り道,蒸留器(ポットスチル)がメンテ中で,カブト部分にはしめ縄が!洋酒といえども神様の力が必要なんですねぇ.

小樽

 さて小樽に着いてみるとあたりは真っ暗で,函館と異なり未だ停電中.駅に行っても改札が閉鎖中でホームに入れず,何のためにはるばる出かけてきたのかわかりません.しかし天災相手ではどうにも仕方なく,他にすることもないので,久々に運河まで歩いてみました.


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運河周辺は電灯もついており,ライトアップされていました.周りが暗いだけに帰かえって綺麗.


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駅内は明るいですが,外は真っ暗.駅前信号機も消え,雨の中,警察官が手信号で整理.

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コンコースが明るい割には改札口は札止め状態.人気がないように見えますが,反対側には観光協会のデスクがあり,携帯を充電する人々でいっぱい.

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自家発電(?)とガスコンロで根性で開店していた駅横の酒場「銘酒角打ちセンターたかの」.せっかくなので,ヤケ酒がてら一杯ひっかけてきました.

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宿へ引き上げがてら,駅裏からの夜の小樽駅.写真を撮っているとホイッスルの音が響き始め,明日はもしかして運転再開?を期待させました.

宿に戻ると22:40過ぎに復電し,ようやく安心して就寝.翌朝,札幌方面へは運転再開になったということで,朝6時半から入場券片手にホームに飛び込みました.

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真っ先に取材した緩衝式車止.5番線の行止りホームにあり,北海道にはこれが唯一のはずです(札幌地下鉄にあるかも?).だいぶ前に所在はつかんでいたもののなかなか現物確認の機会がなく,ようやく目的達成!

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しかもこれが珍しい日車製リンク式.奥行きを短くするのに有利な形式で,有効長の短いホーム端に設置されます.

銘板もバッチリ.2005年11月製と意外と新しい.オイルダンパは噂のカヤバですが,他にメーカ無しの独占市場.

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4番線の裕次郎ホームの記念碑.「1978.6.15この地に立つ」と記載の銘板付き.

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731系札サウのG-115編成がホームなしの3番線に留置.

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同じく札幌方に721系6連のF-3201札サウが留置されていました.

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山側の側線には721,731系が出番を待ってました.

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733系B-107とB-115の連結部.扉が京急のように広いです.

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721系の台車スノープロー.スカートと2段構えでさすが北海道.

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例によって屋根柱のレールを観察すると,カーネギー1906年が見えました.ほかのブログを拝見すると,数年前まで駅内の何か所かでロールマークがペイントされ,紹介用の看板もついていたようですね.

さて一通り調査を済ませて落ち着くと,朝食を済ませていないのに気づき,駅横の三角市場のお世話になりました.この日から漁港も動き出したようで,鮮魚仕入れのトロ箱などが並んでいました.

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細長い通路の三角市場.一見怪しい雰囲気ですが,いったん入ると意外と明るく,多くの商店が店を連ねています.

朝っぱら三色丼.¥2,000とチトお高いが,海鮮山盛りにホタテ味噌汁!店頭に出ていたキンキ/八角/塩ウニの入ったトロ箱.

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こののち,レンタカーでかつて急行「ニセコ」で通った函館本線・山線をたどってみました.

4)山線再訪-1 に続く