「太魯閣」乗車

念願かなっての「太魯閣」乗車です.日本風のなじみのある車内設備とともに,暑いホームから冷房効いた車内へ逃げ込めたのが,なによりも快適でした.

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この日の「太魯閣」樹林行417レ,南側先頭車は,TED1006(2006年製の第3編成).JR九州の885系を8両にした振り子電車で,顔つきがよく似ています.

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太魯閣公園のロゴのある先頭部.意外と前面傾斜角が急です.

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車内の様子.台鉄の車両は荷物スペースがたっぷりととってあります.

トイレ便器も,日本とはかなり異なる仕様.

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交流25kV/60Hzなので,シングルアームパンタは特高用7枚碍子で絶縁.クーラーキセが新幹線のフェアリングのように見えます.右は彫りの深い日立の海外用銘板.

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列車は台東線を快調に進み,2時間弱で花蓮に到着.本来ならば台北まで乗車予定でしたが,予約が取れずにここで乗り換えとなりました.

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花蓮駅で「太魯閣」に乗り込む乗客.床や柱は磨かれた石材タイルで仕上げてあり,ホーム幅も広く立派な造り.右側には「普悠瑪」も見えます.

到着時はちょうど昼時で,改札を出たところで「臺鐵便當」を売っていたので,則,買い求め(NT$100),駅の待合室で食しました.

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圓形懷舊排骨菜飯便當.大きなパイコーに満足.ご飯は薄盛で少なめですが,オッサンにはちょうど良い分量でした.

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悠々カード対応の自動改札前に,弁当販売所があります.「太魯閣」のミニ・モックアップの販売台がご愛敬.制服のオバサンが「ベント~」と言って売ってるので,間違えません.

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花蓮駅のコンコース.大きな明り取り窓と高い天井が開放的な雰囲気です.

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花蓮駅前広場から山側を望む.太魯閣国立公園は右手方面です.駅前では観光タクシーの客引きがいるので,捕まらないように無視がbest!

構内観察

さて乗り換えまでは2時間もあり,といって観光スポットへ出歩くのも暑いので,駅構内で写真を撮ることにしました.花蓮は台湾東部の要衝なので,列車の発着が多く,退屈せずに時間をつぶすことが出来ます.

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少々小振りの花蓮駅電照駅名板.

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E400型(EMD-GP40の狭軌版)R175号機が,客車を従えて中線に進入してきました.

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牽引してきたのは観光用商務車のBCK(Buisiness Car with Brake Van;オロフ)10613+10612「環島之星」の2両.中線に留置すると機関車は機回しで戻っていきました.

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「太魯閣」/「環島之星」/「普悠瑪」が揃った豪華な顔ぶれ!

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東急製DR2800x3編成のラッピング車(先頭3両のみ)も現れました.

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車両両基地方面へ引き上げられる,別のDR2800編成.先ほどのR175が待機しています.

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區間車としてローカル運用に入っている大宇製EMC600.

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台東行「莒光」642レの先頭に立つE402.GE製C-CでE200/300/400と3形式あり外観はおなじですが,E200/300は最高110km/hなのに対しE400は130km/h,またE300には冷房用交流発電機はありません.

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「莒光」の客車も大きな冷房機用ガラリが設けられています.

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花蓮駅を後に南へ向かう「莒光」のオハフ.客レの最後尾を見るのは久しぶり.

さて,売店でNT$35の台湾ビールにありつき一息入れていると,様々の駅務作業が目につきました.

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ゴルフ場カートのような送迎車が,ホームの端っこのスロープ経由で乗り入れ,お年寄りや荷物を持った乗客を改札へ送ってくれます.エレベータもありますが,この方が楽ですね.知本駅のエレベータといい,台湾のお年寄りへのサービスは日本より充実しているように思えます.

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ホーム上に集積されたバイク.台鉄のどこの駅でも見かけられる光景です.荷札を見てみると,行先の異なるものや新旧車が混在しており,なんでわざわざ鉄道の荷物車で運ばなければならんのか,イマイチ理由が不明でした.

※後日,台湾の留学生に聞いたところ,バイクを鉄道で旅先に回送しておき,人間は鉄道で追っかけ旅行するためということです.そういえば日本でも90年代に「モトトレイン」がありましたね.バイクの鉄道回送が安価で疲労の少ない旅行手段となっているようで,ナルホドと感心しました.

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台車で運搬中の客車デッキ用給水缶.しっかりと施錠されいました.

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作業員さんが一缶ずつ,手作業で積み込んでいました.大きさが石油缶ぐらいはあるし,ステンレスなので,20kgはあるでしょうね.

南港まで

始めは2時間も駅で足止め喰らってどうしようと思っていましたが,楽しく観察をしているとあっという間に過ぎ,乗り継ぎの乗車時刻となりました.

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この日の自強324レ,PP列車先頭を務めるPPのE1057.

さて列車は東部線を走りますが,PP自強は急行クラスなので停車駅が多いです.宜蘭を過ぎて夕方になると通勤・通学列車の様相を呈し,車内はかなり混雑してきました.結局,八堵で途中下車し,ここから下校の高校生で混み合う區間車で南港へと向かい,新幹線の自由席で高雄に戻りました.

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台北にくらべると,圧倒的に空いている南港駅の改札.広くて綺麗.

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地下ホームに発着する高鐵.ちょうど上野駅のようなイメージでしょうかねぇ.清掃の担当者はグレーのユニフォーム.

新幹線車内の様子です.デッキへのドアは大きな正方形のボタンを押して開けます.日立冷機の広告のお姉さんは相変わらず健在でした.

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今回の一周については当初目的の列車に乗れず,高雄に着いたのも20:00過ぎと遅くなりました.しかし,DC特急→太魯閣→PP→區間車→新幹線と台湾のほぼすべての車両を網羅的に乗車できて,良い経験になりました.

6)嘉義車庫園区 に続く